ボケをコントロールするための基本知識、被写界深度編

f1.8
ポートレートの撮り方

 ボケのある写真を撮りたいという理由で一眼レフカメラを使う事が多いと思いますが、人間の目には起こらないボケを写真で起こすためには、ボケをコントロールするための知識が必要です。

撮影テクニックを知っているだけでなく、理由も把握しておけば、より望むボケを表現できるようになりますので、基本を押さえておきましょう。

ボケを起こす、被写界深度とは

 カメラで写真を撮るとき、立体である被写体を、光がレンズを通ることで平面上に表現します。

レンズを通す時の入射角の度合いがボケの程度を決めており、
カメラ用語では被写界深度(ひしゃかいしんど)という言葉で表現します。
被写界深度とは、写真を撮る時にピントが合っているように見える被写体の奥行き範囲のことです。

ピントが合う範囲が狭くなることを「被写界深度が浅い」といい、
逆にピントが合う範囲が広いものを「被写界深度が深い」といいます。

ボケの大きい写真を撮りたいと思ったら、被写界深度を浅くする=絞りF値を小さくし、
くっきり・はっきりとした写真を撮りたいと思ったら、被写界深度を深くする=絞りF値を大きくするようにします。

 

被写界深度の具体例

f1.8左の木にピントを合せた被写界深度の浅いサンプル
背景がボケて状態ははっきりしていません。(F1.8)

f5.6左の木にピントを合せた被写界深度を少し深くしたサンプル
背景のボケ方が緩くなり、背景の状態がわかりやすくなってきました。(F5.6)

f22左の木にピントを合せた被写界深度の深いサンプル
背景もほぼはっきり写っており、状況がほとんど分かるようになっています。(F22)

 

簡単に被写界深度をコントロールする方法

 前述しましたが、被写界深度はカメラに入ってくる光の入射角により起こりますので、レンズのF値を変える方法が一番簡単な調整方法です。

レンズを絞ると、光の入射角度を広め~狭めまで調整を行う事ができ、
入射角度が広いと、被写界深度が浅く、
入射角が狭いと、被写界深度が深くなります。

他にもボケのある写真を撮る方法がありますが、ここでは、
レンズの絞りを大きく(F値が小さい)すればボケのある写真
    絞りを小さく(F値が大きい)すればボケのない写真

と覚えておいてもらえればいいと思います。

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