ジャスピンの障害となる4つの理由と対処法

ちか作品撮り
ポートレートの撮り方

 コンデジで撮影しているときはあまり気にならなくても、いざ、一眼レフを使い始めると気になるのが、『ジャスピン』。
狙った箇所のピントがしっかり合っている状態を表すジャスピンは、写真の出来栄えを大きく左右すると共に、フォトグラファーの思いを写真に表すことができる重要なファクター。
本サイトでも公開しているポートレートは瞳にピントを合わせる事が一般的ですが、ここがボケていると被写体の魅力が低下してしまいます。

特に最近では、撮影データをPCの大きなモニターで(場合によっては100%以上に)拡大して見ることが可能になりましたので、よりピントを合わせるテクニックを要求されるようになりました。

 マニュアルフォーカス(以下、MF)の時代ならいざ知らず、今はオートフォーカス(以下AF)の時代なんだから、「ジャスピンは当たり前」と思うかもしれませんが、実際にはAFでもジャスピンの写真はなかなか撮れないもの。
現にカメラを始めた頃は、自分もAFなんだからジャスピンが当たり前と思っていましたので、ピントが合ってないとがっかりを通り越して、苛立ちさえ感じたものでした。

しかしながら、『成功には理由がなくても、失敗には理由がある』との格言通り、カメラがAFで調整してくれるにしても、ピントが思ったところに来ないのは理由があるわけで、今回はピントが合わない理由と対抗策を考えてみましょう。一応被写体は人物(女性ポートレート)とさせていただきます。

ジャスピンにならない理由を考えてみると
・カメラマンサイドの理由
・被写体サイドの理由
に分けることが可能です。

ジャスピンにならない理由その1 手ブレ

 主にカメラの持ち方がしっかりしていない(重さや慣れ等の理由もありますが)事で、撮影時(シャッターを押している時)にカメラが動いてしまい、ピントがずれてしまう現象です。

典型的なカメラマンサイドの理由ですので、カメラの安定的な持ち方を練習したり、シャッター速度を速めることで解消することが可能です。

どうしてもシャッター速度が遅くなってしまう場合には、三脚を使う、ISO感度を上げる、軽いカメラや手ブレ補正機能付きレンズを使ってみるといいでしょう。

フィルム時代には、シャッタースピードを『1/使用レンズの焦点距離』以上にすれば手ブレをしないと言われていました。50㎜のレンズを使う場合は、シャッタースピードを1/50以上にするという事ですね。
ただ、実際デジタルの時代になり、先に述べたように、よりピント合わせがシビアになりましたので、実際はもう少し速いシャッタースピードにしたほうがいいようです。
自分は特殊な事情がない限り、最低でも1/125を下回らないように設定をしています。

 

ジャスピンにならない理由その2 被写体ブレ

 手ブレとは逆で、撮影時に被写体が動いてしまう現象で、被写体サイドの理由です。
動物等、撮影時にコントロールができない被写体を撮っている時はシャッタースピードを上げるか、流しで撮るテクニックがありますが、人物を撮っているにもかかわらず被写体ブレが起こる場合には、被写体には長めに止まってもらい、シャッターを切った後にポーズの変更をしてもらうようにお願いしましょう。(被写体がカメラマンのシャッターを押すタイミングを理解していない事が原因で起こります。)

最近のデジカメでは、AFが合うとピピッと電子音を出せるカメラもあります。
また距離が離れていたり、音を出したくない時は、シャッターを押す度に声がけをして、タイミングを知らせるようにすると被写体にもわかりやすいと思います。

 

ジャスピンにならない理由その3 ピンボケ

 手ブレとどう違うの?
一緒に撮っていた初心者の方にはわかり辛いらしかったけれど、狙った箇所にピントが合っておらず、別の箇所にピントが合っている、もしくは写真全体にピントが合っていないのがピンボケです。
例えば、木の後ろにいる人物にピントを合わせたつもりが、手前の木や葉にピントが合ってしまった。という感じです。

特に露出を開放近くで撮っているときに、被写体がチョット動くだけで、瞳にピントが合わなくなってしまうということもあります。(上記の被写体ブレと同じですね。)

AFのフォーカスポイント(測距点ともいう)の精度や設定の仕方によっても狙った箇所にピントが合わないことがあるので、カメラの使いこなしによっても結果が変わってきます。

 

ジャスピンにならない理由その4 機材トラブル

 上記全てをクリアしているにも関わらず、ピントが合わないのなら、カメラやレンズといった機材を確認してみましょう。
カメラのファインダーは右目、左目?でご紹介していますが、視力が弱い場合にはファインダーの『視度調整』をしておくことも重要です。

機材にトラブルがある場合、どんなにしっかりピントを合わせたつもりでもジャスピンになることはありません。
プロ用・セミプロ用のカメラになると、微妙な差であればレンズごとに調整をすることのできるマイクロアジャストメント機能がついている場合がありますので試してみましょう。
エントリー機や、あまりにピントがずれる場合はメーカーのサービスセンターに相談をしてみる事をおススメします。

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