SNSで「作品撮りモデル募集」という投稿を見かけて、手が止まったことはありませんか。
ポートレートとは違うのか。
お金は発生するのか。
意味の分からない言葉への、小さな不安。その不安から、応募も依頼もためらってしまう方は少なくありません。
この記事では、作品撮りの意味を、6つの点から整理します。
作品撮りとは、実績の代わりになる「宣材写真」を撮る撮影
作品撮りとは、仕事の実績の代わりに見せる、宣材写真を撮る撮影です。
宣材写真とは、宣伝材料写真のこと。オーディションやクライアントとの面接に持参する、ブック(作品集)に入れる写真です。
プロの撮影者やモデルは、過去に請け負った仕事の写真を、そのまま見せられないことが多くあります。
写真の権利(版権)や、契約上の使用範囲、守秘義務の関係で、クライアントの許可なく見せられないためです。
過去の仕事を見せられない代わりに、依頼されそうな仕事と同じ状況を、自分たちで再現して撮ります。クライアントに「この人に頼むと、こう撮れる」「こうアピールしてもらえる」を伝える写真資料です。
作品撮りとポートレートとの違いは「目的」
違いは、何のために撮るかです。
ポートレートは、人物を主役にした写真全般を指し、被写体で決まる分類です。作品撮りは、「宣材写真を撮る」という目的で決まります。
同じ人物写真でも、宣材写真にする目的で撮れば作品撮り。
クライアントから仕事として依頼されて撮れば、商業撮影になります。
分けるのは、被写体ではなく撮影目的です。
作品撮りとテストシュートとの違いは「宣材」か「練習」か
テストシュートは、テストや練習のための撮影です。
呼び方が混ざる場面もありますが、この記事では分けて考えます。
撮影の練習の結果として、使える写真が撮れる場合もあるでしょう。ただ、最初から宣材にする目的で撮る作品撮りとは、意味合いが全く異なります。
撮り方やポーズの研究はテストシュートで行い、宣材写真作りは作品撮りで行います。
だれが、何のために撮るのか
撮影者もモデルも、それぞれの営業のために撮ります。
- カメラマン:クライアントの商品を、これだけ素敵に撮れるという証明
- モデル:クライアントの商品を、これだけ素敵にアピールできるという証明
- ヘアメイク・スタイリスト:自分の仕事の宣材(スタイリストなら、自分で作った衣装のサンプル写真)
どの立場でも、見せる相手は、依頼を決めるクライアントです。
必要な写真は立場ごとに違うため、撮影時間内に折り合いをつけて撮ります。
作品撮りにかかる費用は目的と利害が一致すれば無償
自分の場合、 撮影者とモデルの目的と利害が一致していれば、基本は無償です。
モデルは表現力を、カメラマンは撮影力を提供し合い、お互いが目的の宣材写真を手に入れるために作品撮りを行います。
一方、特定の人だけが必要としている作品撮りは、必要としている人が費用を負担します。
たとえば、カメラマンだけが必要としている撮影なら、費用はカメラマンの負担です。ギャランティ(報酬)を支払って、専用に撮影を依頼する場合もあります。
作品撮りは仕事がある人ほどしなくなる
作品撮りは、営業用の宣材写真を作る撮影です。
しかしながら、既に仕事を受託しているカメラマン・モデルやヘアメイクは、(クライアントが実績をわかっているので)新規に宣材を見せる必要がありません。
そして、何度も作品撮りをしていると、似たような写真は既にブックの中に集まっていることもあります。
また、仕事が増えると、撮影可能日は、仕事の依頼を優先するようになりますので、作品撮りのためにチームとの時間を合わせるのが難しくなってくるでしょう。
結果として作品撮りをする必要が、薄れていきます。
例外は、新しいジャンルの宣材が必要なとき。
仕事がある人も撮ります。が、条件が折り合わないことも多々起こります。
作品撮りは、いま宣材が必要な人がする撮影です。
募集を見るときも、撮るかどうかを決めるときも、次の3点を一緒に確認すると失敗を減らすことができるでしょう。
- 見せる対象
- 自分に足りない写真
- 時間と費用を出す理由
どのページから読めばよいか
撮影する立場の方は、カメラマン向けのページを、撮られる立場の方は、モデル向けのページをご覧ください。
- カメラマンの方へ:作品撮りの撮影テクニックより先に決めること|営業用の宣材づくり
- モデルの方へ:作品撮りのモデル準備とポージング|可愛さより先に考える商品アピール
どちらのページも、仕事として行っている方、目指している方に向けて書いています。
作品撮りは、練習ではなく、仕事につなげるための宣材作り。まずは、ご自身の立場のページから、一緒に読み進めましょう。
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