クリップオンストロボの一歩進んだ使い方

クリップオンストロボ
ストロボ撮影

撮影に慣れてくると、カメラ本体からストロボを離して撮影を行う事が多くなります。
レフ板の代わりにストロボを使う感じで、レンタルスタジオを使ったことがあれば、定常光を使ったライトスタンドが置かれているのを見たことがあるかもしれません。

クリップオンストロボをカメラから離して使う場合は、光(ライト)とカメラを離して使う点では同じようなものですが、キチンと調光をしなければならないといった点で定常光を使ったライトスタンドでの撮影と少し勝手が変わってきます。

他のサイトや雑誌等では、オフカメラストロボオフカメラフラッシュリモートストロボ等色々な呼び方をしていますが、行うことはカメラ本体からクリップオンストロボをはずし、独立させた状態で、シャッターを押すタイミングで発光させる使い方です。
この方法を使えるようになると、モノブロックやジェネレーター式のストロボをスタジオで自由に使えるようになります。

クリップオンストロボはモノブロックストロボのかわりになるか

上手な写真の撮り方=光の操り方とまで言われていますので、光の調整は非常に大事ですが、光を発するという点では同じでありながら、スタジオではモノブロックストロボ・ジェネレーター式ストロボや、定常光ライトが置かれており、クリップオンストロボは出力やチャージ時間など様々な理由があるにしろ、多用されている感はありません。
しかしながら、クリップオンストロボの手軽さと安さは魅力です。

実際、モノブロックを撮影現場に数台持ち運んで、組立てるのはかなりのハードワークで、アシスタントをつけないと大変なことは、プロカメラマンのアシスタントをした際に体験しました。

その点、クリップオンストロボなら、数台持ってもモノブロックの1台分位の量にしかなりませんので、現在所有しているCanon スピードライト320EX(以下、320EX)を例にとって、クリップオンがモノブロックの代わりになるか試してみることにしました。(屋外で撮影の時はこのパターンを検討)

ストロボをカメラから離して使う理由

ストロボをカメラから離して撮影する理由は、『自由に光のコントロールができるようになる』からです。

クリップオンストロボをカメラの上部につけて撮影をすると、被写体の正面からのみ光を発光することになります。

これですと、光の当て方が単調で一方向からのみになり、必ずしも撮影の目的全てに合っているとは言えませんし、背景に影が強く出たりします。

しかしながら、カメラとストロボを離すことができれば、被写体に対して上下左右好きな角度から光を当てる事が出来るようになる上、ストロボにヘッドを付けた場合でもカメラ本体の重さや大きさは変わらないので、撮影の邪魔になることもありません。

ストロボをカメラ本体から外して使う事により、

  • 光の当て方(影のつけ方)
  • 光の質
  • 明るさ
  • アイキャッチ

をコントロールすることができるようになります。

カメラの撮影モードとストロボ露光調整の関係

それではストロボをカメラから離して使えばいいかというと、そう単純にはいかないのがストロボ撮影の敷居を上げているようなのですが、基本はシャッターを押すタイミングで発光するようにストロボに信号を送るだけです。

最近では、カメラメーカーやストロボメーカーから専用の機材が発売されていますので、理屈は専門家に任せておいて、自分の撮りたい写真イメージや使いたい環境に合った方法を覚えればいいでしょう。

ストロボの状態 自動調光 多灯ライティング
カメラの上
トリガーとしても使える
独立+フラッシュ(トリガー) ×
シューコード利用 × ×
トランスミッター利用

持っているクリップオンストロボでの光量調整について

320EXはガイドナンバーが24/32と高出力とは言えませんが、Canonのフラッシュの中ではほぼ中間に位置する商品です。左右上方向へのバウンスが可能という事で購入しましたが、それほど使い込むことを目的にはしていませんでした。

ストロボ本体ではLED発光とスレーブ設定をするための操作が可能ですが、マニュアル設定は一切できず、カメラ本体に取付け、『ストロボ制御』→『外部ストロボ設定』→『発行モード』を『マニュアル発行』にすることで、発光量を(カメラ本体を使って)フル発光から1/64(標示は128)まで調整することが可能です。

オートで使用する時は、±3段分の調整をクイックメニューからも行う事が可能です。

クリップオンストロボをカメラ本体から離すと

320EXはカメラ本体のフラッシュをトリガーとして発光させることで、320EXを発光させることができるスレーブ機能をもっています。

通常、クリップオンストロボをカメラ本体から外して使うという事は一歩進んだ使い方となるらしいので、稀なのかもしれませんが、Yoshiyukiとしてはストロボとカメラは離して使う事が当たり前となっているので、期待を込めて試してみました。

その結果、カメラ本体から離して使うときはマニュアルでの調整(フル発光から段階を調整という意味)ができない。ということが判明。
試しにシューコード(延長ケーブルみたいなもの:下の写真)をつけて試してみましたが、マニュアルモードでの設定どころか外部ストロボの設定自体をカメラ本体でも行う事はできませんでした。
クリップオンストロボの使い方
ちなみにオートで使用する時は、±3段階の調整をクイックメニューからも行う事が可能ですが、この場合、スレーブ以外にカメラ本体のフラッシュの光も加わりますので、場合によっては困る時もあります。

独立したクリップオンストロボの光量調整

Canonでは、カメラ本体のフラッシュをトリガーにしなくてもスレーブ設定したクリップオンを光らすために、スピードライトトランスミッターST-E2/ST-E3-RTというオプションを用意しています。

Yoshiyukiが使うEOS 60DではST-E2が対応という事で、型は古くなるのを承知の上導入しましたが、ST-E2を使ってもマニュアル設定はできず、オートの±3段分の調整をクイックメニューから行うという結果になります。
クリップオンストロボの使い方

調整可否 オート マニュアル
カメラ本体に取付 ±3 フル~1/64(標示は128)
フラッシュトリガー ±3 不可
Canon ST-E2 ±3 不可

 

まとめ:実際に使ってみた結果

では実際に、『この±3段分の調整範囲できちんとした撮影が可能なのか?』と考えてみると、悪いことばかりではないことに気づきました。

スタジオ撮影でモノブロック等外部光を使う時は、事前にISOやシャッタースピード・絞りを決め、その状況に光を合わせることが多く、被写体に対して直射することは極めて少ないと思います。

ディフューズやバウンスするという事は、直射よりストロボのパワーが求められるという事で、自動設定のクリップオンでは光量不足になる可能性が高いです。

そうした時に、マニュアルで光量を調整していく訳ですが、オート設定の場合、調整枠が±3段分あるということす。
物撮りの場合(全体にピントを絞る場合が多いので)自ずとシャッタスピードとISOで調整をすることになります。(本当はISOやシャッタースピードを固定したいからストロボを使うので本末転倒なきがしますけど。)

TTL調光がついたクリップオンの最大のメリットは、被写体に対して自動で光を(出力最大まで)調整をしてくれる点です。

通常のストロボの場合、ISOやシャッタースピードを変えると、その都度ストロボの設定を変える必要がありますが、クリップオンは再調整の必要がないので、気楽に撮影をしたい場合は最適な気がします。

ちなみに、下の写真は絞りをF16に固定し、シャッタースピード、ISOを適当に変えて撮ってみましたが、クリップオンの設定を一切変えずに撮影することができました(+1設定)。

難点として、ディフューズは問題ありませんでしたが、バウンスは調整範囲ではあまり光量の差がなく、使いづらい感がありました。

また、極端に絞りすぎた場合(ISO100、SS125、F22でテスト)、光量調整を行っても明るくなることはありませんでしたので、ストロボの限界を超えた場合にも調整ができないと判断しました。(これはモノブロックでも同様ですが)

ISO400 SS60 F16.0

ISO200 SS125 F16.0

ISO100 SS125 F16.0

ISO100 SS60 F16.0

ISO100 SS30 F16.0

結論として、長距離での撮影は、本機種ではガイドナンバーが低いこともあり難しいかもしれませんが、近距離であればモノブロックに劣るものではないと言えます。特に小型軽量で持ち運びがし易く、バッテリーも一般の単三電池が使用できることからも、場所を気にせず使えるのがポイントでしょう。

いい写真を撮るためには光の扱い方が重要ということで、現状機種はそのまま使っていきますが、今度購入する場合はクリップオン本体でマニュアル操作ができる高出力の機種を買う事にし、出力の強さが強くなるのが楽しみです。

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