モデルという仕事について
公開日:2015.06.04
将来芸能活動を行っていく上で、どの『ジャンルを目指すか』という点は、ポーズを学んでいく上でも、写真の撮影方法にしてもとても重要なことです。
もちろん、ご自分の体形や好み、所属事務所の要請等により途中で変わることもよくありますが、途中で活動ジャンルを変えてしまうと、せっかく今まで時間とお金をかけて撮影した経験やブックが使い物にならなくなることもありますので、初期段階でしっかり考える必要がありますので、それぞれのジャンルを理解しましょう。
この記事の内容
モデル
ショーモデル
ショーモデルは、ファッションショーでデザイナーの最新作を身にまとい、観客の前でブランドをPRするモデルのこと。
写真に収まるスチールモデルとは違い、彼女たちの本質は身体すべてで魅せる「動く芸術」。歩き方(ウォーキング)や視線、そして服の揺らし方ひとつで、ブランドの世界観やストーリーを表現します。
かつては「身長175cm以上」といった厳しい基準が当たり前の、パリコレに代表される一握りの世界というイメージが主流でした。しかし現在では、東京ガールズコレクション(TGC)のような大規模イベントだけでなく、一般公募オーディションを行うブランドのショーも急増中。
そのため、10〜20代の女性にとって、ショーモデルは「選ばれた天才だけのもの」から、自分らしさを全身で表現する「憧れの挑戦の場」へと進化しています。
特別な才能が必要だと諦める必要はありません。まずは普段の歩き方を少し意識する、そんな小さな一歩から、あなただけのランウェイが始まります。
ファッションモデル
ファッションモデルは、単に「可愛い服を着て写真に写る人」ではありません。彼女たちは、ブランドの世界観やデザイナーの思想を、自らの身体や表情を通して伝える「表現者」。
モデルが身にまとうのは服ですが、本当に表現しているのは、その服が持つライフスタイルや感情です。
雑誌やWebなどの写真に収まる「スチールモデル」であれ、ランウェイを歩く「ショーモデル」であれ、求められるのは服に着られることではなく、「服と対話する」こと。同じデニムとTシャツでも、あなたの佇まい一つで「アンニュイな休日」にも「意志の強いストリート」にも変化します。この変化の振り幅こそが、ファンを惹きつけるプロの技術。
現在はSNSの普及によって、身長や年齢の制限を超えて、あなた自身の生き方や世界観そのものが価値になる多様性の時代。
ただカメラの前に立つのではなく、「今日の私は、この服でどんな物語を伝えたいかな?」と想像してみてください。その小さな意識の変革が、あなたを単なる被写体から、唯一無二の特別な存在へと変えていきます。
コマーシャルモデル
コマーシャルモデルとは、服そのものを主役として魅せる非日常のファッションモデルとは異なり、企業の商品やサービスを生活に溶け込ませて消費者に伝える商業広告専門のモデル。
写真や映像の枠(画角)の中で日常の幸福感を表現する自然な演技力や、誰もが好感を持つ佇まいは、ブランドの信頼感を高めるための最大の武器。
視聴者が自分自身の生活を投影しやすいリアルなシチュエーションを演じ分けることにより、親近感を生み出す仕組みが広告業界には存在するのです。
完璧なスタイルよりも、見る人に安心感と「使ってみたい」という共感を与える表現力こそが、コマーシャルモデルという存在の本質的な価値です。
スチールモデル
「スチールモデル」とは、動画ではなく、雑誌やWeb広告などの「静止画(写真)」を専門とする表現者のこと。
動きで魅せるショーモデルとは異なり、1枚の写真にどれだけ豊かなストーリーを閉じ込められるかという「一瞬の表現力」が求められます。流れでごまかせない分、レンズの奥を見つめる視線のコントロールなど、ミリ単位の繊細な技術が欠かせません。
最近はSNS広告の普及により、従来の身長基準ではなく、独自の空気感を持つ10〜20代の需要が急増中。完璧な美しさよりも、見る人の心を一瞬で引きつける「佇まい」こそが本質です。まずは自分の魅力を知ることから、あなただけの表現を始めてみてください。
読者モデル
ショーモデルほど条件は厳しくなく、スチールモデルほど運任せではないのが読者モデル、いわゆる読モです。お気に入りのファッション雑誌に自分の一番の写真を送って、あとは待つ。編集者に気に入って貰えれば読者モデルに採用されるし、雑誌に載って読者に評判が良ければ引き続き読者モデルができる。そんなです。ただし、ファッション雑誌の編集室には山のように読者モデル志望の手紙が届くから、皆さん注目して貰おうと苦労しているようです。プロカメラマンに宣材(売り込み用の写真)を撮って貰うくらいは当り前で、自己紹介の文章も工夫を凝らし、紙や封筒も色やデザインを吟味して、とにかく先ず編集者にちゃんと読んで貰うこと、見て貰うこと、それがなければ気に入って貰う段階に進みません。インターネットなどであれこれ調べたり情報交換したりして、雑誌ごとの傾向と対策を掴んでおきましょう。容姿だけでなく、頭もそれなりに良くないとなれないのが読者モデルです。これだけ苦労をして読者モデルになっても業界では「素人モデル」という扱いになります。
グラビア系モデル
ファッションモデルが服を見て貰うためのモデルであるのに対し、グラビアモデルは自分を見て貰う仕事です。服に合わせて何か無理をする必要はありません。特別に背が高い必要も、特別に痩せている必要もありません。可能な範囲で服の方であなたの体型を誤魔化してくれます。ただしそれが良いことかどうかは別問題です。特別の体型を要求されない分、競争は激しくなります。競争に勝ち抜こうと思ったら、いや、そもそも被写体として認めて貰おうと思ったら、それなりの努力と覚悟が必要です。
ポートレートモデル
純粋なポートレートモデル、つまり普通に服を着てニッコリ笑っているだけで、仕事として成り立つというのは今では不可能です。なにしろ水着モデル程度なら誰でも応じる時代ですし、子供向けの漫画雑誌でさえグラビアは水着です。専業のポートレートモデルでは仕事になりません。仕事そのものがありません。事務所でも採用しません。写真家のタマゴなどが腕を研くためにポートレートモデルを雇うことはあります。お金にはなりません。自転車のチラシや冷蔵庫のカタログに添え物で写っているモデルはチラシモデルというべきでしょう。アイドルのポートレートは売れます。しかし、これはポートレートモデルというより、アイドルという職業です。結局ポートレートモデルという職業自体成り立ちません。唯一お金を貰えるポートレートモデルは素人カメラマン相手の撮影会モデルです。ファッションモデルのタマゴ、女優のタマゴ、そういう撮られる側も素人で撮る側も素人の撮影ゴッコ、それに金を払う素人カメラマンはいます。どこまでもゴッコ遊びです。こういう撮影会モデルを集めたプロダクションもあります。しかし、そういうところに登録して素人撮影会を何回繰り返しても、それがキャリアとして認められてステップアップに繋がることはありません。
水着・下着・セミヌードモデル
水着や下着、セミヌードなら少しは仕事があります。露出が大きいほど仕事は取り易く、お金にもなります。水着モデルなら週刊誌などの素人モデル企画に応募し、運が良ければ選ばれて一回撮影して貰い、幾らかのお小遣いを貰い、週刊誌を読んだ何人かの目に止まり、それで終わりです。下着モデルやセミヌードモデルはもうちょっとエッチな男性週刊誌の企画で一回か二回撮影されて終わり。賞味期間があまりにも短いので、事務所でも登録するメリットはありません。グラビア・アイドルとしての可能性のある特別にかわいい子、オッパイの大きい子だけが事務所に所属できます。18歳未満だとヌード、セミヌードの撮影が有り得ないので水着アイドル要員として事務所が使ってくれます。子供の頃に水着セクシーポーズで名前を売ることに成功すれば、その実績を引っ提げて映画、テレビに女優として進出することも容易です。芸能界にはそういう元美少女が何人もいます。しかし18未満モデルも最近は過当競争で、10代前半でTバックになって一瞬話題にされても二ヶ月もすると忘れ去られる時代になりました。非ヌードモデルの過当競争の中で実際に有名になれるのは本当に少数です。その少数でさえもプロダクション側は常に「いつ脱がすか」を考えています。脱ぐ脱がないは事務所が決めることです。それに対して「ノー」と言えるのはグラビア・アイドル界の頂点に立つ特別に売れている数人だけです。今や「かわいい」「スタイルがいい」は当り前、というかモデルの最低条件で、その上で頭の回転が良くてトークが出来るとか、演技が出来るとか、歌が歌えるとか、何か付加価値がないといけません。
美術モデル
ファッションモデルやグラビアモデルと違って美術モデルはモデル事務所に所属しないで活動している人が多いようです。絵画や彫刻のモデルというのは作品の完成までに時間が掛かるので、一度仕事を見付けてしまったら継続してモデルを続けることができます。次の仕事を探して貰うための事務所の必要性というのが他のモデルほど感じられないのでしょう。逆に「一回だけ試しにモデルをしてみたい」では仕事を見付けるのは困難です。また「継続」というのは作品の完成まで何日も掛かるということ以外に、同じポーズを何分も維持しなければならない肉体的苦労もあります。
作家が製作のために雇うモデルは、これは作家自身が採用基準です。全く主観的に決まります。しかし地方都市などでは、なかなか美術モデルを確保するのは難しいようで、特にヌードモデルはなり手がいないので、作家もあまり好き嫌いは言えないようです。しかし作家がモデル探しに苦労しているのと同様、モデルも作家探しに苦労しているのが実状だと思います。カルチャーセンターの絵画教室なども常時モデルを必要としています。美術系大学への進学を目指す人が通う進学塾、予備校なども美術モデルを必要としています。直接問い合わせてみましょう。そういうところで美術モデルをやっていれば口コミで次々と情報が入ってきます。近所の高校の美術部でも「試しに美術モデルをしてみたいから、一度だけ使って欲しい、お金はいらないから」と頼めば使ってくれると思います。デッサンだけなら一回だけのモデルでもOKです。ただし高校だと水着までで、ヌードモデルは出来ないかも知れません。そうやって美術モデルを経験して気に入ったら、継続して雇ってくれる人はいないか、顧問の美術の先生に聞いてみましょう。美術繋がりで近所の芸術家を紹介して貰えるかも知れません。
ちょっと変わった仕事として美術モデルのポーズ集の撮影の仕事というのがあります。これは美術モデルを雇う余裕のない人のために全裸の男性や全裸の女性の各種のポーズを様々な角度から撮影した写真集です。ただしこれは出版社が十年に一遍程度そういう企画を立てた時に、たまたまその場に居合わせた人が引き受けることが出来る仕事です。美術モデルがどういうポーズをするのか不安な人は、大型書店などでこういう本を探して立ち読みしてみると良いでしょう。
パーツモデル
手だけ、足だけ、あるいはお尻だけ、そういう人体の一部だけを撮影して貰うモデルがパーツモデルです。手タレ、足タレ、なんて言い方をします。当然その部分だけは誰にも負けない自信が前提になります。ほとんどが広告向けの仕事で、非常に特殊な仕事なので自分でクライアントを見付けようとしても無理でしょう。出来るだけ大きな事務所に登録して仕事を斡旋して貰うことになります。

