モデル業界で必要となる写真5種類とは
公開日:2014.07.06
最近ではTikTokやYoutubeのように個人でも配信を行える環境が整ってきましたが、将来本気で芸能界や放送の世界で活躍したいと考えている方も多いと思います。
また、学生時代にミスコンに選ばれた事で、アイドルやモデル・女優を目指しそうと考える方も多く、自分もサイトやSNSを通して撮影依頼を受けることもあります。
しかし、活動初期は全ての手配を自分でしなければならないこともあり、わからないことだらけ。
・(モデル)事務所の言っていることがわからない
・必要な写真がなんだかわからない
・カメラマンへの依頼の仕方がわからない
・カメラマンの指示がよく理解できない
と感じる事ってありませんか?
実際、活動段階によって求められる写真のタイプは異なり、的確な写真を用意できないと、(事務所から)何度でも撮り直しを要求される場合もあります。
そこで、
・芸能界で活躍してみたい
・ミスコンや読者モデルになってみたい
・オーディションに参加依頼をしているけど書類審査が通らない
等、これから活動を行おう、もしくは行っている女性に向けて、芸能活動に必要となる写真の種類と違いを、初心者でも簡単にわかるように20年以上カメラマンとして活動してきた経験をもとに丁寧に解説しています。
この記事の内容
段階により求められる写真の数々
モデルを目指す場合、現在のおかれている状況により求められる写真が変わってきます。
最初はオーディションや、事務所に登録するための写真。いわゆるプロフィール・オーディション写真。
次に、事務所がクライアントに売込みをかけるために用意する宣材写真・コンポジ。
そして、今までの活動内容や、目的に応じて撮影をしてきたブック。
撮影をする段階で、写真の目的と使い方が明確になっていない場合、いい写真=目的を果たす写真を撮ることができません。
実際、どの写真を撮るかによって、用意する衣装やメイク・小物、撮影場所等が大きく変わってきますし、参加する人数(カメラマン、メイク、スタイリスト、スタジオマン等)も増えていきますので、単純に『写真を撮ればいい』というわけにもいかないのが現状です(当然参加人数や場所により撮影金額も高くなってきます)。
事務所に登録をすることで、全て用意してもらえる場合もありますが、フリーで活動している場合は、全てを自分で用意しなければならない事もあります。
そこで、現在の活動状況と必要な写真を理解してカメラマンに『より具体的に』依頼するようにしましょう。
プロフィール写真
プロフィール写真は、プロフィール写真は個人特定のために経歴書に貼る最も重要な写真で、先方に第一印象を与える重要な役割を行います。
少し使い方は変わりますが、最近ではSNSのプロフィールや会社の代表者や役員の写真、チラシやパンフレットでの紹介写真等撮影機会が増えていますが、いづれも重要な役割を担っています。
なぜなら、人の第一印象は
・見た目(視覚情報) 55%
・声や話し方(聴覚情報) 38%
・話す内容(言語情報) 7%
(メラビアンの法則)といわれており、見た目の重要度が一際高いことが知られているからです。
つまり履歴書に貼るプロフィール写真1枚の役割が、履歴書内容よりも重要視される場合があるという事です。
プロフィール写真の撮るタイミング
プロフィール写真は現在の写真(3か月以内とか)必要に応じて撮る必要がありますが、それ以外にも、
・活動の方向性が変わった時(アイドルからモデルへとか)
・髪型が変わった時(ロングをショートにしたとか)
・年数が経って以前よりも落ち着いた時
などに撮り直す方が多いのですが、カメラマン的には履歴書を提出する企業の方向性に沿ったものを2~3種類事前に用意して、使い分けることをお勧めしています。
(1回の撮影でイメージの異なる写真を複数撮ることは難しくありません。)
オーディション写真
オーディション写真はオーディションや事務所に提出するために用意する写真で、書類選考の重要な要素であり、全身とバストアップの2種類を提出することが多いです。
撮影時には服装に注意し、体のラインがわかりやすい白のシャツと短パンの組み合わせがオススメで、表情と姿勢にも気を配り、背筋を伸ばし、魅力的なポージングを心掛けます。
自撮りや低画質の写真はNGであり、クオリティの低い写真は選考対象外となりますので、応募するオーディションの傾向と対策を考え、募集側が求めているイメージに合わせた写真を用意することが重要です。
プロフィール写真は提出先に汎用性をもたせた撮影にしますが、オーディション写真は『目的に合わせた』撮り方をしますので、使う目的や用途をきちんとカメラマンと打ち合わせた方がいい写真を撮ることが可能になります。
宣材写真・コンポジ
宣材写真は、(モデル)事務所が所属・登録しているモデルをクライアント(広告主、雑誌社等)に紹介(売込む)するために作成するもので、クオリティによってモデルとしての仕事量が左右されることもある重要な写真です。
クライアントに対してのプレゼン資料を兼ねているため、作成の仕方がプロフィール・オーディション写真と異なり、モデル自身をいかに魅力的に見せるかという点に注力されています。
コンポジット(コンポジ)は、オーディション写真と宣材写真を合わせた数枚の写真(全身、バストアップ、イメージ写真)と、モデル名・身長・年齢・スリーサイズ・シューズサイズ、簡単な経歴・特技・事務所連絡先をまとめて1枚の用紙に記載したもので、A4サイズで作られることが多く、コンポジのみでモデルの事はある程度わかるようになっている営業カードです。
事務所に所属・登録したことのある方は、一度は作っているはずですが、モデルが仕事を得る為に必要なもので、コンポジを作らないモデル=名刺を持たない営業マンという感じです。
実際、イベント等でモデルを使う必要のある広告代理店やクライアントには、多量のコンポジが提出され、その中から目的に合った(好みの)モデルが選ばれています。
必要であれば、より詳しいプロフィールが提出されることもありますが、基本的にはコンポジのみで決まることがほとんどでしょう。
=それくらい重要な書類という事です。
ブック(ポートフォリオ)
第一次審査(書類審査)を勝ち抜いた後、オーディションで必要となるのがブック(ポートフォリオ)。
表情やポーズ・衣装・ロケ地を変えたさまざまなバリエーションの写真や、経歴写真を集めて自分をアピールするための写真集です。
選考担当者はブックからモデルの外見(顔、ボディバランス、姿勢等)が本人と一致しているか、募集目的に必要な動作や表現力があるか、モデルの経歴、表現力の幅があるか等を確認し、今現在のモデルとしての質を確認します。
(そのため、コンポジやオーディション写真のレタッチをし過ぎでスタイルや輪郭が変えると面接で落とされかねません。)
また、ブックは単純な作品集というわけではなく、参加するオーディションに合った写真を用意して、自分自身を売込むことを目的としていますので、随時写真を入れ替える必要があります。
その為には、目標・目的とする業界や役どころに合ったポーズや表情を練習し、似たような衣装を用意して、できるだけ多く撮影の機会を作り、色々なパターンの撮影をこなしている事をブックでアピールしましょう。
撮影の機会が多くなれば、色々なカメラマンと写真を撮る機会も増えますので、自ずと経験値が上がっていきます。経験値が上がれば、本番でも色々な状況に臆することなく実力を発揮できるようになります。
プロフ・コンポジ・ブックはモデル営業の生命線
モデル活動の記録である宣材写真を、仕事をくれるかもしれない(見込み)クライアントにどのように見せればいいでしょうか?
一般的には、日頃の活動内容をブログやSNSという形で配信しているモデルの方がほとんどだと思いますが、実際の話、忙しいクライアントは一々すべてのページを見てはくれませんし、ましてや自分が見て欲しい写真をピンポイントで探してもくれません。
最初の数ページを見てくれればいい方でしょう。
自分の活動をアピールするためには必要な写真を揃え、オーディションを突破し、直接見てもらう必要があります。
モデル事務所に登録したことのある方は既にお持ちでしょうが、モデル事務所ではコンポジ(プロフ)を個々のモデル用に作成し、営業時に持って歩いています。
(最近ではサイトから印刷できるようにしている事務所もあります。)
フリーで活動している人は作ったこともないし、考えたこともないかもしれませんが、モデル活動の可能性はどこに転がっているかわからないので、できれば撮影データと紙出力の両方でコンポジを常に携帯しておくべきだと考えます。
プロフ・コンポジ・ブックいづれもモデル自身を売り込む際の営業ツールと考えましょう。
これに名刺があれば万全です。
活動内容や髪型の変更などの理由から、一度作ったものを未来永劫使えるというわけではありませんが、チャンスの時に持っていなければモデル事務所に登録しているモデルと同じポジションに立っているとは言えません。
アピールの点で一歩も二歩も出遅れていると言っても過言ではないので、ぜひ一度プロフ・コンポジ・ブックを営業用に作ってみることをお勧めします。
プロフやコンポジはあなたの営業マン。
あなた自身の売込みをする事が目的なのですから、写メなどのいい加減な写真は使わないようにしましょう。
最後に
モデル業は、所属・登録した後に事務所から仕事を確実に紹介されるわけではなく、事務所は単にオーディションの紹介をしてくれるだけです。
そのオーディションで仕事を得られるかどうかは、モデル自身が、『いかにオーディションで自己アピールできるか』にかかっています。
その為には、少しでも魅力的な写真を使いオーディションに勝抜くことを目指しましょう。
私のところにも、各段階ごとに撮影依頼をしてくれるモデル・女優(志望者)の方がいますが、前述のように必要なものが予めわかっていれば、『事務所に言われて、すぐに用意しなければならない。』という事は避けられるようになります。
特にオーディションに持参する、宣材写真やブック用の写真を用意をするには時間も慣れたカメラマンも必要ですので、余裕を持って準備をした方がいいでしょう。
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