日中シンクロ=屋外でストロボを使うポートレート

屋外でのポートレートにストロボを使う
miho ポートレート

ポートレート撮影をする時、プロならばいざ知らず、レフ持ちをしてくれるアシスタントをつけられる環境のアマチュアカメラマンはそう多くはないと思います。
実際、撮影現場ではカメラマン同士でレフの持ち合いをしたり、参加してくれるヘアメイク等のスタッフに頼んだりもします。

また、撮影する場所によっては使用機材を制限される場合があり、例えば新宿のとある公園では直径30cm以上のレフ板を使う場合は、公園の事務所に撮影許可を事前に申請しなければならない上、機材の使用条件に成果物(撮影した写真)の提出を求められたりすると、個人で撮影をしている場合は簡単には撮影許可申請をする気にもならないでしょう。
少なくとも自分はなりません。

レフ持ちのアシスタントもつけず、片手レフもしないできない状況で、それでも成果を残さなければならないとき、光を調整するための機材としてクリップオンストロボを使う事がよくあります。

屋外でストロボを使った撮影を『日中シンクロ』というのですが、今回は屋外で(主に)クリップオンストロボを使うテクニックをご案内します。

日中シンクロとは

『日中シンクロ』は、天気のいい屋外でもストロボを使用して被写体の影部分に補助光を当てることで明るく綺麗に撮影するテクニックのことです。

ストロボを使わずに、例えば露出補正を行い被写体を明るく写す場合は、日中シンクロとは呼びません。

日中シンクロで女性を撮る理由

ポートレート撮影をするときは被写体ができるだけ眩しくないように、逆光や半逆光で撮影をすることが多く、普通に撮影をしていると被写体全体が暗く写りがちです。
特に天候や時間帯によっては(太陽が強いと)顔全体が真っ黒に写る場合もあります。

これは、背景の明るさと人物の明るさが異なる際に、カメラが(勝手に)全体のバランスをとってしまう事に原因あり、その明るさの違いをカメラマンが調整する必要が生じてくるのです。

そのような時に被写体に向けてストロボを発光させること=日中シンクロで撮影すると、

  • コントラストの高い写真を撮る事が出来る
  • 背景が白とびしない
  • 光の当たり方による影を消すことができる
  • 被写体にキャッチライトを入れることができる

等のメリットがあります。

日中シンクロに必要な機材

日中シンクロは屋外でストロボを使う事をご理解いただけたと思いますので、カメラ以外に必要な機材をご紹介します。

  • できるだけ発光量の多い(クリップオン)ストロボ
  • ストロボを自立させるためのストロボスタンド
  • ディフューザーもしくはアンブレラ
  • (ストロボをカメラから離すなら)コマンダー

※ストロボをカメラに着けて撮影(オンカメラ)するのであれば、ストロボだけあれば大丈夫でしょう。

Canon製スピードライト

ストロボは発光出力によって大きさと値段が変わり、アンブレラやディフューザーといったオプションを使うかどうかによっても機材の総量が変わってきます。

大きいストロボ+アンブレラやディフューザー等のオプションを持ち込んで調光するのであれば、結局は機材の制限に引っかかったり、アシスタントが必要になったりしますので、レフ板を持って行った方が軽くなるでしょう。

実際、都内の公園では60×60cmのソフトボックスを使っていると、『撮影許可を得ているか?』と聞かれることが多いです。

日中シンクロで使うストロボに必要な4つの機能

屋外で軽いストロボを使う時と、スタジオでライティングを組んで撮影をする場合では、ストロボに求められる機能が変わってきます。

もちろん、全ての機能がついていれば問題はないのですが、高機能な分大きくなり、先の全体量の問題に行きつきますので、ピンポイントで自分が必要な機能を検討しましょう。
実際屋外で使っていて「これはあった方がいいよ。」という4つの機能です。

  • 発光量(ガイドナンバーが大きい)
     日が強い所で撮影するとストロボの光がとても弱く感じる時がありますので、撮影時に必要な発光量が多くなくても、ストロボパワーに余裕があれば、その分チャージ時間が短くなるなどメリットがあります。
    夏の日差しはかなりきつく、GN60のクリップオンストロボでは力量不足に感じたので、自分はGodox AD200を主に使っています。
  • ハイスピードシンクロ(HSS)
     屋外で日光が強い場合、ストロボのシンクロ機能によりシャッタースピードを遅い速度で制限されてしまう事があります(=真っ白な写真)。HSS機能がついたストロボを使うと、このシャッタースピードの制限から解放されます。(参照:ストロボを使うカメラマンは要注意!シャッター速度を制限するシンクロスピードとは
  • (オフカメラで使う)コマンダー
     屋外でストロボを使うからといって、いつもカメラの上で使うとは限りません。オフカメラで使うためにもクリップオンストロボ本体にスレーブ機能がついていると便利です。
  • TTL自動調光
     自分は使わないけれど、マニュアル設定が不安という場合はあったほうがいいかもしれません。

日中シンクロの撮り方

日中シンクロサンプル写真

日中シンクロは2段階に分けて光量を調整しますが、順番通り行えば問題なく撮影できますので、気楽にいきましょう。慣れない内はいきなり本命の前で行わず、時間制限のない被写体に依頼して、ゆっくり挑戦してみることをおすすめします。

また、最初にお断りしておきますと、この方法はデジカメ専用の調光になりますので、フィルムカメラをお使いの場合は露出計をご利用の上調光をお願いします。

背景の明るさを調整

  1. カメラにストロボを乗せている場合、もしくはコマンダーが通電してる場合、両方とも電源を切ります。
  2. (周りの光が強ければ)ISOを一番低く設定
  3. シャッタースピード優先か、絞り優先・プログラムモードで背景を撮影
  4. 気に入る色合いになるまで繰り返します。
  5. 好みの明るさになった時のシャッタースピード・絞り・ISOを記録もしくは記憶して、
  6. 撮影モードを『マニュアル』モードに変更し、上記の値を設定。
  7. 再度撮影して、同じ色合いになるか確認しましょう。

ここまでが第一段階です。慣れてくると数枚撮影するだけで調整ができるようになります。

被写体の明るさを調整する

  1. 背景が決まった状態で、ストロボもしくはコマンダーの電源を入れます。
  2. ストロボもしくはコマンダーをマニュアル設定に切り替えます。
  3. ストロボが発光する状況でシャッターを切り、被写体が暗いようならストロボの出力を上げ、明るいようなら出力を下げて好みの明るさになるよう調整します。
    ストロボの出力や、ディフューザーやアンブレラの使用状況にもよりますが、出力を1/4位から始めると調整が少なくて済むでしょう。
  4. 被写体の明るさが決まったら、最後に全体のバランスを確認して微調整しましょう。

まとめ

本格的に行うと、レフ1枚の方が簡単と思える日中シンクロですが、思ったような写真が撮れると一気に疲れも吹き飛びます。

覚えておいていただきたいのは、ストロボ撮影は設定した場所から移動したら再調整が必要になるという事です。
撮影した写真を見せる時に被写体は動かないように依頼するなどして、撮影状況を固定しておくというのも重要です。