カメラマンが教える『合格を勝ちとるオーディション写真』7つのポイント
公開日:2014.04.11

最近、私はオーディション写真の事を、『人生を変える写真』と呼んでいます。
実際、女性を被写体として撮影をしていると、芸能界と関係のない学生や既に社会人として働いている女性が、写真をオーディションに提出したことで認められ、ミスコンのファイナリストとか、芸能事務所からデビューする等、彼女たちの生活が一変してしまった事を頻繁に目の当たりにしているからです。
○○のオーディションに受かりました。
○○のファイナリストになりました。
撮影したモデルさんから連絡をいただくと、カメラマンとしてはとても嬉しいです。
(現在では)芸能界で活躍し出した彼女たちの活動のきっかけとなる、オーディション写真について、撮影前に知っておいてもらいたい注意点をご紹介します。
この記事の内容
オーディション写真は書類選考の要
応募対象が雑誌でもサイトでも、全てのオーディションは書類選考から審査が始まります。
インターネットが普及してから、応募のしやすさも手伝い、一気にオーディション参加者が増えました。(以前は距離的に会場に行けない等の制約を受けていた方もネットでの応募なら距離や場所は問題ではありません。)
その結果、選考担当者たちは膨大な応募書類に目を通すわけですが、その時に添付されている写真(ビジュアル)で候補を絞っていくのは、モデル業界としては当たり前の方向性です。
なんて言ってもビジュアルがいいのが当たり前の業界ですから…
モデルとしては、書類選考(第一次審査)に通らない限り、自分の特技を直接クライアントにアピールできませんので、書類選考突破は重要な最初のステップです。
かといって、ビジュアルだけで選ばれるわけでもない。
この辺りが選考の難しい所ではありますが、一つだけ言えることは、クオリティの低い写真を送ったら、選考対象として残ることはほとんどない。という事です。
オーディション写真とは
通常、オーディションで求められる写真は
1.全身写真
2.バストアップ写真
の2種類。
用意する写真と撮影時のポイントをそれぞれ確認しましょう。
全身写真

オーディション用の写真として、絶対に提出を求められるのが全身写真。
主に
・体型や全身のバランス(何頭身かなど)
・手足の長さ
・全体の雰囲気
を見るために必要とされます。
カメラマンとしては、撮影時に他にも注意していることが幾つかありますが、最初は上記の点に気をつけたポージングをすればOKでしょう。
バストアップ

オーディション用の写真として、絶対に提出を求められるもう1種類の写真がバストアップ。
(バストショットと呼ばれることもあります。)
頭の先から胸下くらいまでが入るように撮影した上半身の写真の事で、顔のパーツ、肌と髪の色など細かい部分が検証対象となります。
撮影時に注意したいポイント
服装
オーディション写真では、本人のアピールポイントが写っている必要。
体のラインがわかりやすい白のシャツに短パンの組合せで1セット。
自分のセンスを表すことのできる普通の服装で1セット。
撮っておくと応用が利くようになります。
この時、派手目な衣装、大きなロゴや模様の入っている衣装を選ぶと、選考担当者(写真を見る人の目線)が、衣装に向かってしまいますので、避けるようにしましょう。
また、時々脚全体を隠した長めで余裕のあるスカートや、かなりダブダブでゆとりのある服を着てくる方がいますが、体のライン=スタイルが分からない衣装や、黒目のストッキングも避けた方が無難です。
(宣材写真で、イメージを訴える写真を撮る場合は別です。)
表情と姿勢
初心者の中には少し猫背になっている方がたまにいますので、背筋を伸ばして、手足をできるだけ長く魅力的に魅せるポージングをしましょう。
撮影時のカメラアングルにより写り方が変わってきますので、カメラマンと相談しながら、楽しんで撮影するようにするといい表情が撮れるようになります。
自分の場合は、後ほどご案内しますが、応募するオーディション向けに傾向と対策を講じた写真を撮るようにしてます。
提出NGのクオリティが低い写真とは
オーディション写真を撮る立場のカメラマンとしては、話を聞くだけにとどまっているのですが、時々オーディション用として目を疑う写真が送られてくることがあるそうです。
うけ狙いの写真は論外として、NGとなるクオリティの低い写真とは、
- 自分で撮った写メやプリクラ
- 携帯電話のカメラで撮ったような画素の低い写真=自分のポイントをしっかりアピールできていない写真、本気ではない(ように見える)写真
の事です。選考担当者は、『これで何がわかるんだ?』という事で、すぐ選考対象外になります。
オーディションに受かりたいと思うのなら、絶対に送らないようにしましょう。
オーディションで求められる写真の傾向と対策
オーディション写真を撮る時に重要なのが、オーディションを行う側(=募集側)がどのような人材を求めているか正確に理解して、それに合った写真を用意する事です。
例えば、エントリーするモデル事務所、役どころ、イベント自体と、添付しようとしている写真の方向性が同じか?という点です。
募集側は、送られてきたオーディション写真を見て、頭の中でイメージを作りますので、希望するイメージと送られてきた写真のイメージに大きな差があれば、やっぱり選考対象外となります。
例えば、ビューティー系のオーディションの為に、モード系の写真を送っても意味がないという事です。(ちょっと例えが悪いですが…)この点は写真のクオリティに関係なく、写真の選び方が間違っています。
本サイトでも、オーディションにエントリーするために、複数のイメージ撮影を依頼されることがよくあります。
『前回(の写真)はギャルっぽかったけど、今回(のエントリー)は純情系の役どころだから、新しく撮りたい。』みたいな感じです。
キチンと傾向と対策を施している写真をエントリーする方が、ありきたりな写真を添付するよりも書類選考をパスする可能性が高いのは言うまでもありません。
まとめ
その他色々な理由がありますが、結果として、オーディション写真は、一度撮ったものを(可能であったとしても)使いまわしをするものではなく、その都度、目的に応じて撮影するほうがいいという事です。
また、オーディション写真を依頼する時は、過去の撮影内容やサンプルを見て、上記のポイントをしっかり理解しているカメラマンを選ぶことが重要。撮影前にカメラマンの作例を確認して依頼するようにしましょう。