セッション撮影会で明るくきれいにモデルを撮る3つの方法
公開日:2019.07.16
最近、SNSでカメラマン募集をしている女性は、モデル撮影会に参加している旨が記載されているのをよく見かけるようになりました。
特に初参加や撮影会デビューといった経験の浅い女性や、モデル事務所に登録したばかりの女性は、Fresh!撮影会やGarnet撮影会等のセッション撮影会に参加することもあり、見知らぬ女性に一からモデル依頼をするよりも、撮影会に参加して、簡単に相性や好みを確認できるようになったのは非常にありがたいと思います。
今日はそんなセッション撮影会に参加して女性をきれいに撮影する際に知っておきたい方法のお話です。
この記事の内容
セッション撮影会のサイクルタイムは短い
セッション撮影会は、自分の撮影時間が1回40秒からと、とても短く、自分の番になってからカメラやストロボの設定をしていると、撮影する時間がなくなってしまいます。(体感的にはちょっと大きめにポーズを変更してもらうだけで交換時間になってしまいます。)
しかしながら、カメラ任せのオートやプログラムモードで撮影をすると、下の写真のように思いもよらず暗い写真になり写真が使い物にならないことがよく起こります。
思った以上に暗いです。(SS 1/125 F4.0 ISO200)
ISO上限2,000に設定しているのに、なぜかISO200。
カメラ設定を変えずに撮影を続けると、使えない写真を増産することになりますのでカメラマンがキチンと設定をする必要があります。
使う機材や設定により変わってきますが、カメラ任せでは撮りたい写真が撮れないという事がご理解いただけると思います。
明るくきれいにモデルを撮る3つの方法
モデルさんの肌をきれいに見せる明るめの撮影するには下記の3つの方法が考えられます。
- 明るい場所で撮影をする。
モデルさんの立ち位置をスタジオに設置されている定常光ライトの近く来てもらう - より明るくなるように露出をプラスに補正をする
- 光を足す(ストロボ等でフラッシュを当てる)
あとは、40秒という時間的制限の中でいかに手際よく目的に合った写真を撮ることができるか考えてみましょう。撮影方法に決まった正解はありませんので、自分が納得できれば十分です。
立ち位置を変える
最初にモデルさんの立ち位置を定常光ライトの近くにするという点ですが、モデルさんとライトが近すぎるとかなりのクローズアップの写真しかとることができず、全身写真を撮ろうと思ったらライトが写真の中に入ってきてしまいます。(後からレタッチで消すにしても簡単ではありません。)
そのため、クローズアップ等目的がある場合にしか使えませんが、明るく撮影することができます。
露出補正で明るめに設定をする
カメラのメニューから『露出補正』を選び、+方向にメモリを移動させます。
撮影モードによりますが、
・シャッタースピードが遅くなる
・絞りが開かれる
・ISOが上がる
のいづれかでカメラに取り込む光の量を多くすることが可能です。
露出補正のメリットは、カメラ本体で調整ができるので余計な機材を追加することなく明るくすることができる点。
デメリットは、モデルの顔に露出を合わせる(顔を明るくする)とモデルのみならず、背景も一緒に補正がかかり明るくなりすぎる点です。
これ位の明るさなら適正露出だと思います。
クリップオンストロボで天井バウンス
光が足りない時はストロボを使うのは当たり前の感がありますが、ストロボを直写すると、白とびしたり、影が強く出てしまうなどのデメリットが大きいので、直射しないのがポートレート撮影の常識のように言われています。
クリップオンストロボの天上バウンスは、背景を白とびさせず、好みにあった色合いを調整することができる事と、スタジオが暗くても好みに合った明るさにすることができます。
その代り、カメラの他にクリップオンストロボが必要で、カメラ本体が重くなるため、シャッタースピードが遅いと手ぶれや被写体ブレが起こる可能性が高くなります。
また、撮影位置(被写体とカメラの距離や角度)が変わると光の当たり方が変わるので、明るくなりすぎたり、暗くなりすぎたりしますので、撮影の都度、確認と調整をする必要があります。
(TTLをつかってもこの辺りは一度撮影して確認をしないと失敗作を連発する可能性があります。)
尚、大きめのディフューザーを持って来られるカメラマンが時々いるようですが、撮影会のスタッフからNGを出されるようで荷物置き場に所在なく置かれているのをたまに見ます。
(個人撮影会の場合は、ストロボ、ソフトボックス、アンブレーラー等一式持ち込み可能だそうです。)
クリップオンストロボの光が加わった分、色温度が変わっていますが明るさは十分適正露出にすることが出来ます。
クリップオンストロボで天井バウンス+オプション
クリップオンストロボの天上バウンスは、天井が白く、程よい高さにないと使う事が出来ません。
実際、撮影場所によっては天井に色がついているとか、天井が高すぎて光が反射して帰ってこないようなスタジオも存在します。
そこで、クリップオンストロボに小さくついている反射板よりもさらに大き目の反射板をつけて撮影してみました。(下のような格安なものでOK)
3枚目よりも光がより強くモデルさんに当たっており、値段の割に思った以上の効果がありました。
まとめ
今回の試撮りで、背景が白壁など、白とびをしても問題がない場合は、露出補正。
背景の色合いをしっかり残したい場合は、背景に露出を合わせてモデルをストロボで明るくするという従来通りのパターンがおススメです。
しかし、40秒の中でそこまでの設定を行うことは難しいのが実状ですので、自分の順番になる前にしっかりと調整をしておいた方がいいでしょう。
自分は露出補正をメインに行い、(必要があれば)RAW現像の時に全体の色合いを調整するようにしています。
本来、セッション撮影会は、色々なモデルさんと気軽に楽しく話して写真を撮り、『もう少し撮りたいと思ったら個人撮影に参加してね。』という顔見せが目的の撮影会です(多分)。
運営会社は、時間的にも、環境的にも、宣材写真や作品撮り等のクオリティが高い撮影を行うことを目的としていません。
しかし、そんな環境の中、少しでもきれいに、可愛く写真を撮りたいと思うのは、参加しているカメラマン全員に共通している思いではないでしょうか。(それにモデルさんも写真欲しがるしね~。)
今回の撮影比較は、参加カメラマンの参考として、自分の撮りやすい方法を探してしてもらえればいいと思います。
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