古いカメラだってちゃんと使えるんだから・・・
公開日:2017.10.23
頻繁に更新される最新カメラやレンズ情報。
写真やカメラが好きならば、ワクワクしながらレビューや紹介記事を確認をするけれど、常に最新機種を揃えておけるほど潤沢ではない懐事情。
管理人のメインカメラは、今では一世代前となるCanon EOS5D MarkⅢと二世代前となるCanon EOS60D。あと、SONY α7Ⅱとα6000。
普通、カメラを一度買ったら、メーカーから仕事でももらってなければ、そう簡単に買い換えしない(できない)でしょ?ましてやプロカメラマンじゃなけりゃ尚更。
新機種が発売されたら、前のカメラを下取りして、新機種を買うという方法もあるけれど、自分は買ったカメラを故障するまでは使い続ける方向で撮影をしている。
(故障の度合いによっては、新機種に変えると思うけど。)
少なくとも自分が必要だと思える機能が、画期的に強化されていない限り、下取りに出すことはしない。
カメラは数年おきに新機種が発売になるけど、古い機種はダメなの?
屋外でのポートレート撮影の時は、ボケを大きくできることもあってフルサイズを使う事が多いのだが、先日久しぶりにCanon EOS60D(APS-C)とタムロンのズーム(今では発売終了している)を撮影に使用した。
新しいカメラやレンズを手に入れると、どうしてもそちらの方が使用頻度が高くなるが、タムロンのズームはボケが柔らかく、ポートレートに向いているという事で、人気のレンズだった。
しかしながら、撮影時モデルに確認のために見せた時の反応がいつもと異なる(気がする)。
RAW現像した写真の出来は最新のカメラで撮影した写真に劣らない。
もちろんモデルによって反応が異なるのは当たり前なのだが、普段と比して落差が気になった。
古いカメラの持つディスアドバンテージ
古いカメラというと、オールドカメラやフィルムカメラまで対象に入ってくるが、ここでは一応撮影現場で使っているデジタル一眼レフカメラを対象という事で・・・。
それらのカメラは趣味や、ゆっくり撮影する時には選択肢になるが、仕事として使うには(現場で撮影写真をスグにクライアントに確認できない等)実用性が欠けるようになっている。
という事で、古いデジタル一眼レフカメラは最新機種に比較してみると
- AF(オートフォーカス)スポット(測距点)が少ない
自分の使っているカメラを例にとると、EOS60DのAFスポットは9点しかないが、α7Ⅱでは117点まで増えており、最近のミラーレスカメラでは、ほぼ画面全体を網羅している。 - AF速度が遅い
- 連写枚数が少ない
EOS 60Dでは、5.3コマ/秒、EOS5DMarkⅢでは6コマ/秒と若干少ない。 - データバッファが小さいのでデータ保存迄に時間がかかる
- モニターのクオリティーが低い
というディスアドバンテージがある。
見直した!古いカメラだって問題なく使える
結果から先に述べると、前述したモデルの反応の違いは、写真の構図や写り具合ではなく、プレビューモニターのクオリティによって反応が変わったのだと理解した。
古いカメラのモニターと新しいカメラのそれでは表現力に大差があるということだ。
それでは古いカメラは役に立たないのか、というとまた状況が変わる。
・ポートレートの撮影は、レーシングカー等の高速で移動する被写体を撮るわけではないから、高速な連写機能はあまり必要としない。
・ISOを無理に上げて暗い所で無理に撮影をしなくてもストロボ等を使い光を補えばいい。(むしろその方が綺麗に撮れる)
・写真(スチール)を撮ることが目的であれば、ハイクオリティの動画(ムービー)機能はいらない。
使い易さやクオリティの向上という点以外の、カメラメーカーが最近進めている技術革新はスチールカメラマンにはあまり意味がない様に感じる。
先にも述べたように写真を撮ることが目的なら、RAWデータから現像した写真のクオリティはカメラによって変わるという事は殆どない。
だから、今回APS-CであるEOS60Dをスタジオで使い、その流れでポートレートにも使用したのだから・・・
むしろ、オーディション写真やプロフィール写真等を撮っている写真スタジオでも、メインで使用しているカメラはAPS-Cという事はよくある。
スタジオで撮影するそれらの写真は、APS-Cの方が被写界深度が深い事もあって、フルサイズよりも向いている。ちなみに、被写界深度(ひしゃかいしんど)とは、写真の焦点が合っているように見える被写体側の距離の範囲のこと。(ボケをコントロールするための基本知識、被写界深度編参照。)
実際に仕上がりの写真の結果は、最新のカメラと遜色はないのだから、そういう使い方ならばいくらでも使う事ができるし、サブ機として持っていくこともできるので、すぐに最新のカメラが発売されたからと言ってすぐに手放さずに使ってみてはいかがだろうか。
関連記事
おすすめの関連記事