モデル撮影会の基礎知識
公開日:2017.05.11

ポートレートを始めたばかりの時は、被写体=モデルになってくれる女性を見つけること自体が容易ではないけれど、すぐにでも写真を撮りたいと思うのが、カメラマン心理でしょう。
『ポートレート事始め、モデルを見つける5つの方法』でも、被写体になってくれる女性との知合い方をご紹介していますが、その中の一つが撮影会に参加する事です。
今回はモデルを比較的簡単に見つけることのできる撮影会について考えてみましょう。
この記事の内容
モデル撮影会とは
本サイトでは、撮影会(さつえいかい)に参加しているモデルさんの写真も公開していますが、撮影会とは、主にアマチュアカメラマンを対象として、写真撮影を行う場所と機会を提供している集まりの事をいいます。
自分は、女性モデルを対象とした撮影会にしか参加した事がありませんが、カメラメーカーが主催するものから、カメラ好きなアマチュア団体が開催しているものまで、色々な撮影会があり、被写体も多種多様なもの(人物・自然物・人工物等)があります。
カメラメーカー主催の撮影会は、機材の売込みや撮影方法を講師の方がレクチャーしながら行う事が多く、自由に撮ることはできない事が多いですが、商業用の撮影会は撮影すらしなくてもOKというものまであります。
モデル撮影会のメリットとデメリット
ポートレートを撮影するにあたり撮影会を使うと、いい点と悪い点が存在しますので、ポイントをまとめてみましょう。自分の好みに合えば利用すればいいし、合わなければ別の方法で撮影をする位の考え方でいいと思います。
メリット
- 好みに合ったモデルを既に用意してくれている
- (お初を含めて)1回で複数のモデルさんを撮影できる(こともある)
- 参加費用が比較的安い
- シャッターを押す回数(撮影枚数)を増やすことができる
- 自分の空いている時間を利用できる
- 撮影目的が決められていないから自分の好きなように撮影できる
- 他のカメラマンの機材や撮影方法を見学できる
デメリット
- 撮影の際、細かいメイクや髪型の修正ができない
- 衣装は撮影会にお任せのため、選択ができない
- モデル本人ではなく、撮影会の意向でNGなポーズがある
- 参加費用がかかる
モデル撮影会の種類と特徴
前述のように、色々なメリット・デメリットのある撮影会ですが、参加する会を選ぶ時の基準となるのが、それぞれの会が持つ特徴で、
- 撮影対象
- 撮影場所
- 撮影方法
で大きく分ける事ができますので、それぞれについてはもう少し詳しくみていきましょう。
撮影対象
本サイトは女性ポートレートをメインに扱っているので、ここでは撮影対象は女性という事で話を進めさせていただきますと、
- デビュー前のアイドルやタレント
- 写真用モデル
- 女優の卵
- レースクイーン
- 女子学生・社会人
といったメジャーになる前の若い女性が多く、私服や水着、コスプレ、場合によってはヌードで被写体になってくれますので、撮影会で撮ったモデル・女優さんが、メジャーになってテレビに出たり、DVDや写真集を発売したりすることもあります。
会の傾向として、アイドル系が強い場合もあれば、雑誌のようなポートレートを目的としたスチールモデルが多かったり、レースクイーンがセクシーなポーズをしてくれる撮影会まで、それぞれの撮影会によって特徴がありますので、好みの撮影会に参加してみましょう。
撮影場所
撮影対象が決まったら、次は撮影をする場所選びが大切になってきます。
写真を撮影する場所は、屋外=公園やストリート、もしくは屋内=スタジオのどちらかしかないのですが、申込んだ撮影会によって撮影場所が変わってきます(開催日によって場所を変える撮影会もあります)。
屋外で撮影をする場合、指定された範囲内の色々な場所で撮影ができるので、気分転換の意味でも背景を使い分けた撮影をすることが出来ます。広さを活かしたボケの強い写真を撮ることもできる等の利点がある反面、開催する時期によっては、雨が降って中止になることがあったり、その場にいる一般人が写真内に混じる等の欠点もあります。
屋内で撮影をする場合は、天候や温度に左右されることなく撮影ができる上、(ある程度)光をコントロールすることで、独自の撮影をする事が可能な反面、撮影内容が屋内のセットや環境に制限される事があります。
撮影会によっては、モデルが時間内に何回か衣装チェンジをしてくれるので色々な写真を撮ることも可能です。
どちらにしても、撮りたいモデルが撮れれば問題はないという参加者が多いようですが、屋外と屋内では、使用するレンズが変わってくるので、持っているレンズと相談して選ぶようにしましょう。
屋外のつもりで中望遠レンズを持ってスタジオに入ったら、部屋が狭すぎてバストアップしか撮れなかった。などという事が無いように注意しましょう。
撮影方法
撮影会でモデルを撮影する際、
- 一人のモデルを複数のカメラマンが撮影する団体撮影会
- 一人のモデルをカメラマン一人で撮影する個人撮影会
に大別し、さらに団体撮影は、カメラマンが同時に撮影を行う囲み撮影会と、一人一人順番に撮影を行う順撮り撮影会に分ける事ができます。順撮り撮影会の場合、撮影中のカメラマンの邪魔をしなければ、脇からの撮影を許可している撮影会もあります。
どのような撮影会に参加するにしても、モデル一人に対して、カメラマンの数が少なくなるほど、時間当たりの撮影料金が高くなるようになっていますが、時間内は1対1で撮影(お話)できるので個人撮影の方が人気が高いようです。
機材の調子をみたいとか、撮りたいモデルが囲み撮影会にしか出てない等の特殊な事情があるので、他のカメラマンの撮影方法についてとやかく言うつもりはありませんが、個人的にはポージングの指定ができない囲み撮影スタイルの撮影会は値段が安くても参加したことはありません。せめて撮影時間が少なくても、1対1の撮影が可能な順撮りが最低ラインだと考えています。
モデル撮影会でのルールとNG事項
撮影会に参加する時は、主催者側が定めている規約を守ることが必要になります。
撮影会に初めて参加するときに説明されると思いますが、その中でも重要なのはモデルの嫌がること(ポーズ等)を要求しない点と、ネットにつなぐことのできる携帯やスマホの不使用がメインです。
また、別料金を払えば動画で撮影することのできる撮影会もありますが、大部分は動画NGというところが多いでしょう。
撮影会の外では、撮影の前後、撮影会場だけでなく駅周辺でも、モデルの入り待ち・出待ち行為や、電話番号やメールアドレスなどの個人的な情報を質問することもルール違反となるので注意しましょう。(でも、TwitterやFacebook等で連絡をとることはOKのようです。)
また、撮影した写真を勝手に公開する事も禁止されていることがありますので、参加する撮影会の写真公開基準について確認をした方がいいでしょう。自分も一度、水着公開NGのモデルの写真を(うっかり)公開したことがあり、モデル事務所から削除依頼をされたことがあります。
規約を守れば楽しく撮影できますので、ルールは守るようにしましょう。
まとめ:自分好みの撮影会を見つけよう!
撮影会は様々な特徴があり、色々なところで開催されていますので、自分に合った撮影会を見つけることは楽しみの一つであり、悩まされる点でもありますが、以下のポイントをおさえれば好みの撮影会を見つけることができるでしょう。
- 自分好みのモデルさんが参加している
- 自分好みのジャンル(ポートレート、コスプレ、グラビア等)の写真を撮ることが出来る
- 自分のテンポで撮影できる環境が整っている
- 行ってみたいスタジオを使っている
撮影会のサイトである程度好みの会を見つけた後は、実際に参加してみて、モデルとの相性や、他に来ているカメラマンの撮り方を見たり、会のイメージを感じたりして精査していく必要があります。
そうすることで、いつも通える撮影会を幾つか見つけることが出来るでしょう。
追記:撮影会で上手にモデルさんを撮ってみたいと感じたら
同じ撮影会に何度も通うようになったり、お気に入りのモデルさんができると、(中には話しているだけで満足という方もいるようですが、)どうしても綺麗な・上手な写真を撮りたいと思うようになることが多いでしょう。
そんな時は少し撮り方を変えてみることをおススメします。
下記で詳しくご紹介していますので、参考にしてみてください。

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