【ストロボ】バウンス撮影の使い方と注意点
公開日:2014.02.25
写真撮影の際、ストロボを使った撮影を行うと、被写体に影が現れるようになります。
本来、光と影をうまく表現することで写真の見え方を変えることができるため、影がある写真が悪いわけではありませんが、被写体が女性や商品の場合、強い(濃い)影は敬遠される傾向にあります。
ストロボ撮影時に影を消す方法はいくつかありますが、その中の一つがバウンス撮影です。
この記事は
方を対象としています。
この記事の内容
バウンスとは…
ストロボを利用した撮影方法のひとつで、直接被写体にストロボを向けずに、光を一度別の場所に反射させることで、被写体をきれいに撮るテクニックです。
反射させる場所は、壁でも、天井でも問題はありませんが、一度どこかに光を当て、反射させることで光を拡散させることがポイントです。
自分は主に天井やアンブレーラーにバウンスして使う事が多いです。
バウンス撮影をするために必要なストロボの機能
バウンス撮影は、光を一度別の場所に当てる必要ありますので、使用する機材=ストロボに求められる機能があります。
カメラ内臓ストロボや、発光部がカメラの正面しか撮れないような(向きを変えられない)タイプのクリップオンストロボはバウンス撮影に使うことができませんので、ストロボ単体でバウンス撮影をしたい場合は購入時には注意しましょう。
少しストロボ撮影に慣れてきて、クリップオンストロボをカメラから外して撮影ができるようになると、問題なくバウンス撮影に使えるようになります。しかし、ストロボ光量は必要となりますので予め検討してください。
ストロボの光を直接当てると
左の写真は、被写体右側(カメラ位置左)から約30度の角度でストロボを直に当ててみた場合です。
写真右手に黒い影がはっきり表れているのが一目でわかります。
直接強い光を当てて、影を作る表現もありますので、悪いというわけではありません。
ストロボの直当ては撮影方法としては簡単ですが、コントラストが妙にくっきりした写真になってしまいます。あまりにもストレートすぎ、その結果、写真が平面的な出来栄えになってしまうのが難点です(目的があれば話は別です)。
また、影がくっきりつくことで、『いかにもストロボを使って撮影しました』と写真が語ります。
バウンスさせると…
今回はストロボの位置を変えずに、室内の天井にバウンス(反射)させて撮影したものです(いわゆる天バン)。
上の写真と異なり、フラッシュを使った時に表れる特有の真っ黒い影が薄くなっていることがわかります。
一度どこかに光を反射させることによって、光が拡散するため、被写体の後ろにできる影をくっきりした形ではなく、ぼんやりとした形にすることができるのです。
しかも、被写体に微妙な陰影をプラスすることができますので、ニュアンスのあるやわらかい作品が完成します。
バウンス撮影の3つの弱点を理解しよう
しかしながら、バウンス撮影も完璧とはいきません。
やはり幾つか弱点があるのですが、理解すれば問題にはなりませんので、覚えておきましょう。
弱点その1 ストロボの光量に注意!
バウンス撮影は、一度別の場所に反射をさせる関係上、直接ストロボを当てる場合と比較して光量を多く必要としますので、ストロボのガイドナンバー(GN)が極端に小さい場合、効果がない=事実上使えない事があります。
できるだけGNが大きいストロボを用意したほうが安全です。
弱点その2 反射させる場所までの距離と角度
バウンスさせる対象としてよく使われるのが天井ですが、天井があまりにも高いと反射した光が帰ってこない、もしくは帰ってくるまでに光量が落ちている事があります。
バウンスは天井だけと思わず、特に初めての撮影場所では、周りの壁や、オプションを使う事も考えておきましょう。
また、影をつけない為にバウンス撮影をするのですが、撮影者と被写体の距離が近すぎると、反射角度が急になり、被写体の下(人物なら顎の下等)に強い影が出ることがあります。
ある程度距離を離すなどして、コントロールしましょう。
弱点その3 反射させる場所の色
バウンスは一度反射をさせるため、反射させる場所に色がついていると、その色まで反射して被写体に投影してしまいます。
その為、事前にロケハンをしていない場合に起こり得るのが、弱点2と弱点3。
天井にバウンスさせる予定で機材を持っていかなかったら、天井に色がついていた。などという事もありますので、注意が必要です。
バウンス撮影の弱点を知った上で効果的に使う!
バウンス撮影は、ナチュラルでやわらかい光を生み出す事が出来るため、特に女性ポートレート等、雰囲気を柔らかくしたい時に多用されます。
上の方の写真は影を強調したいがために、少し暗めの設定で撮影をしていますが、左は明るめに設定した時のサンプル(これは自然光+アンブレーラーへのバウンス)です。
しかも、プロ用の特別高い大型ストロボだけではなく、一般のクリップオンストロボでも簡単にできますので、自分の持ちライティングの一つにする価値は十分にあるでしょう。(カメラ本体についているフラッシュでは残念ながらできません)
撮影時に横位置だけでなく、縦位置の時もバウンスできるように、初めて買うクリップオンストロボは閃光部分が上下だけでなく、左右に動く物をおススメします。
参考記事
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