知ってる?プロが選ぶ撮影データの保存形式
公開日:2017.04.17
一生懸命撮影した写真は少しでも綺麗に保存したいのが人情です。特に被写体が女性なら、その思いはより強くなるでしょう。
カメラによっては保存形式を選ぶことが出来ない機種(コンデジやスマホ等)がありますが、一眼レフカメラやミラーレスカメラを使っていると、RAW(ロー)とJPEGのの2種類を選ぶことができ、さらにいくつかのサイズを選ぶことが出来ます。
写真を撮影する時、保存するデータ形式はどのように設定しているでしょうか?
結果からお話しすると、プロカメラマンは例外なくRAW+JPEG形式で保存しています。
この記事の内容
JPEGとRAWの違い
いざ、ポートレートを始めるためにデジタル一眼レフカメラを購入したら、最初にしていた方がいい『カメラを買ったら最初にしておくべき6つの設定』の次に重要なのが、記録画質。
つまり、データの保存方法をRAW形式で保存するか、JPEG形式で保存するか決めることです。
RAW形式とJPEG形式の違いはsutdio9の『ホントにRAWは高画質なの?RAWとJPEGの違いとメリットデメリットをまとめてみた!』で詳しく説明されているので、深く理解したい方は読んでいただくとして、目的に合わせた使い方をすることが将来の写真管理の上で結構重要な要素となってきますので、ここではポイントのみおさえていきましょう。
この保存データ形式の選択は、デジタル一眼レフカメラはもちろん、ミラーレスカメラでも選択できるので、ポートレートに出かける前にしっかり設定しておくことが重要です。
RAW形式とは
カメラの説明書には
RAWは撮影した時のデータをそのままの形で保存させる形式です。
と説明されています。
撮影した時の状況を未加工のまま保存された生データですので、コンピューター等で使えるようにするために色合いやコントラスト等を調整してJPEGデータに変換します。この処理を『現像処理』と呼びます。
RAW形式を見ることのできるソフトウェアが入っていないと、ファイルを見ることが出来ません。
JPEG形式とは
ITU-TとISOによって標準技術として勧告された、フルカラー、またはグレースケールの静止画の圧縮方式。JPEGは、この方式を規格化した作業グループの名前。HTTP形式のファイルで利用できる。圧縮方式には、可逆圧縮と非可逆圧縮があり、一般には後者が用いられる。非可逆圧縮では、視覚特性を利用して不要な情報を切り捨てるという方法が用いられる。2001年には、圧縮効率を高めたJPEG2000が規格化された。ASCII.jpデジタル用語辞典
簡単に言うと、RAW形式でとりこんだファイルをデジタルカメラ内部で自動的に『現像処理』をして、コンピューターやスマホ等で見ることのできるファイル形式にしたもの。
圧縮されているためファイル容量が小さく、数多くの写真を保存できるのが利点ですが、ファイルを変更し、上書きするたびに画像が劣化していく傾向にあるので、写真をレタッチやトリミング等加工することを前提の場合、完成品として使う以外は(個人的には)あまりお奨めしません。
RAW形式で保存するメリットとデメリット
保存データが撮影時から劣化しないRAW形式ですが、使用する上でメリットとデメリットが当然のように存在します。どちらを選択するかによって、撮影の運用が変わりますので、ご自分の目的に応じて選択するようにしましょう。
RAW形式のメリット
- 画質の劣化がない
- 色調を始め、様々な設定を撮影後に調整することが出来る
撮影後に、レンズ・色調補正やレタッチ等、写真加工を前提としている場合はおススメのデータ形式。どんなに加工を加えても元データが劣化しないため、過去に撮影した写真を異なる色調で作品として再加工をしても問題がありません。
RAW形式のデメリット
- ファイル容量が半端なく大きい
- 現像処理をしないと通常の状況だと見ることができない
ファイル1つ1つが大きいため、撮影枚数が多い場合、大容量のメディアが必要となります。特にポートレートや宣材写真を撮るために連続して撮影をする場合は、カメラのバッファ・転送速度が不足するとストレスを感じる事もあります。
また、旅行など長期間データをパソコンに移動できない場合は多くのメディアを持っていく必要があります。
使う目的によって保存形式・サイズを変更しよう
Canon EOS5DMark3の場合、『記録画質』からRAW形式・JPEG形式と、サイズを選ぶことが出来ます。
では、どんな設定が最適なのかというと、一概には言えないのですが、写真を(広告等)素材として提供するプロカメラマンの場合、メインの提出用データは再加工できるRAW形式で、撮影現状を確認するためにJPEG形式で保存、つまりRAW+JPEG(サイズは何でもOK)形式です。
プロでも撮影の都度データ形式を変えるカメラマンは、
- JPEGデータで保存したのでイメージの変更が出来なかった
- 撮影データが小さすぎて使い物にならなかったので撮り直しした
- RAWデータのみで撮影したので、現場でデータを納品できなかった
等の問題が起こることがあるようです。
自分は撮影時に、RAWデータは最大サイズ、JPEGデータはS1サイズ(2880×1920px)で撮影するようにしています。
サイトで使う分には大きすぎますが、実際に印刷する事を考えると、A2レベルまでは原寸サイズで対応出来ますし、JPEGの撮って出しであれば2Lまでは対応が出来ます。
使用目的がブログやSNSだけなら、最少サイズで保存すれば撮影枚数が多くできますので、使用目的により調整してください。
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