一人のモデルさんと長期間に渡り撮影していく方法
公開日:2017.03.02
この記事の内容
一人のモデルさんと長期間に渡り撮影していく方法
先日行ったカメラマン談議で、『なかなかモデルが見つからない』と話がでていたので、何回も撮影依頼してくれるモデル=リピーターがいるか聞いてみました。
ビジネスの世界では、新規顧客を獲得をするためには、リピート客の獲得に比して労力が5~8倍必要と言われていますので、いかにリピーターを確保していくかが重要となります。
カメラマンも(ここでは)ビジネスではないとはいえ、毎回新規モデルを探すよりも、何回も撮影させてくれるリピーターモデルがいれば、モデル探しで四苦八苦することはなくなっていくでしょう。
実際、芸能活動をしている女性には、年間を通して何度か新しい写真=プロフィール・オーディション・宣材が必要な時期があって、そのような時は全ての撮影予定日がリピーターで埋まってしまい、場合によっては、仕事終り(夜)に撮影をする事さえあります。
少しでも撮影回数を増やしたいと思っているカメラマンは、リピートしてくれるモデルを増やすことを考えてみたらいかがでしょうか。
関係が長続きしない理由とその対策
モデル自身、学校の卒業時、25歳、30歳と、モデル活動を継続するか否か考える時期というものがありますので、知合うタイミングにより関係が長続きしないからといって、全てが悪いという事ではありません。
実際、モデル業から引退することで、撮影を行う必要がなくなり、関係が解消という事もよくあります。
しかしながら、誰からも一度もリピートしてもらえないとしたら、それなりの理由があるはずなので、自分の撮影を見直してみる必要があるでしょう。
理由:写真の方向性が合っていない
一人のモデルと何回も撮影をしないのは、(カメラマン側にも)好みに合わない、望んだ写真が撮れなかった等の理由があると思いますが、一言でいうと『相性』が合っていないという事。
モデルの撮りたい写真の方向性と、カメラマンの撮りたい写真の方向性や、互いの技量、好みが合わないのが原因です。
自分も写真を始めた頃、人物以外にも色々な被写体(街や花、人物、物撮り)を撮影してみましたが、イマイチ乗り気にならず、結局ポートレートに戻ってきました。つまりカメラマン側の好みです。
写真を撮ることを仕事にしているわけではないのであれば、好きな被写体を撮影することができるのですから、好きでもない被写体を我慢して撮り続ける必要はありません。
また、被写体として女性を撮影する場合でも、ファッション、ビューティー、コマーシャル、ポートレート、スナップ、コスプレと色々な撮影方法があります。
例が極端ですが、モデルがアニメキャラのコスプレ写真を撮りたいと思っているのに、カメラマンがファッションを撮りたいと考えていたら作品の方向性が合わないので、双方が『チョット違う』となります。
当然、次の撮影はないでしょう。
ここでは、カメラマン側の好みはさておき、どうすればモデル側からリピート撮影依頼を受けられるのか考えてみましょう!
理由:写真のクオリティが十分ではない
撮影を始めたばかりの頃は、使うカメラやレンズが理由という事もありますが、モデルの要望に対して、カメラマンの撮影技術が追いついていかない事があります。
よくあるパターンが、ピンボケ、手ブレ、構図、写真が暗すぎる(明るすぎる)で、使用目的の写真として使えないケースです。
このような場合は、とにかく撮影回数を増やして、写真のクオリティを上げることに専念しましょう。
撮影技術が向上すれば、自然と解消されます。
こんなカメラマンに撮られたい
芸能界で活動していると、時期によって必要な写真がいくつかあって、撮影して欲しいと思うからカメラマンに依頼をしてくるわけです。そんな時に、モデルの『お願い』を聞いてあげれば、自分の撮りたい写真も『お願い』しやすくなります。
モデルとしても新規のカメラマンに依頼する際は、(写真や好みの)相性や距離感、人間性を一から確認しなければならないため、敷居が高いと考えているようです。
何回もリピートしてくれるモデルにさり気なくリピートする理由を聞いてみたところ、
- 我儘をきいてくれる(撮って欲しい写真を撮ってくれる)
- 写真のクオリティが一定水準以上(宣材等に提出する場合しっかりピントが合っている、ボケていない、周りの評判がいい)
- 自分との時間が合わせやすい
とのことでした。
ある程度写真のクオリティがあって、モデルの必要とする写真を撮ってあげる事が出来れば、『他のカメラマンに撮ってもらう必要がない』とまで言っています。
これって、完全に『専属』じゃないですか。
最終的には信頼と撮影写真の方向性が合う事
モデルがリピートしてくれたからといって、必ずしも自分の好みに合った写真ばかり撮らせてくれるわけではないですが、方向性や相性が合っているモデルから再度依頼があった場合は、できるだけ時間を作って撮影をした方がいいでしょう。
同じモデルを何回も撮ることで、
- お互い撮影のペースが理解できている
- モデルの撮り方(綺麗に見える角度等)を知っている
- 希望や我儘を言いやすくなる
- (撮影内容に)チョットした冒険がしやすくなる
- 長い期間撮影することで、成長の過程を記録することが出来る
という利点も生まれてきます。
長期間にわたり一人のモデルを撮影していくことで、普段は水着や露出の多い撮影はしないモデルでも、事務所からの要請で必要になった場合、『あのカメラマンなら安心』という事で、撮影依頼を受ける事もあります。
一見のカメラマンと差別化できるポイントですね。
『欲しいと言ってもらえる写真を撮る』でもご紹介していますが、モデルに欲しいと言ってもらえる写真を撮れるように精進したいものです。
しかしながら、あまりに勝手の違うモデルからの撮影依頼が来た場合は断ったり、『モデル募集するならギャラリーを公開したほうがいい3つの理由』でも紹介しているように自分のサイトで特色を出して、モデルが応募する前にカメラマン側の方向性を理解してもらうようにした方がいいのは言うまでもありません。