背景がボケる写真を撮るための4条件を理解すれば、簡単にボケのある写真が撮れる

Carl Zeiss Batis 1.8/85
ポートレートの撮り方

最近では、海外でも”BOKE”という表現が使われている位、背景が『ボケ』た写真は人気のある表現手法の一つです。

ボケのある写真は、いかにも『高級な一眼レフ(ミラーレス)カメラでキチンと撮影した』という感じがしますし、被写体の背景や前景をぼかすことで、被写体を際立たせることができるので、撮影の打合せ時にモデルさんにお願いされる事もあります。

本来、ボケのある写真を撮るためには、被写界深度の考え方を理解する必要がありますが、理屈を理解しなくてもボケの4要素さえ理解すれば、簡単に撮ることが出来るようになりますので、是非実践してみましょう。


ボケを生み出す4要素とは

 使っているカメラについているレンズの性能は一人一人異なりますので、自分の使っているレンズによりボケの差が異なりますが、4つのポイントを組合わせることでボケの程度をコントロールできるようになります。

デジカメとスマホの写真の違い

絞り(F値)

 カメラをオート(プログラム)設定にして任せていると、自分でコントロールができませんので、『絞り優先モード』か『マニュアル』モードで撮影をする必要があります。

モードを変えたら、自分のカメラのF値(絞り)を一番小さくしましょう。F値(絞り)が小さければ小さいほどボカすことができます。(レンズによっては全体にシャープ感がなくなるかもしれません。)

焦点距離

 カメラについているレンズがズームの場合、一番望遠(大きく写せる)焦点距離に設定します。
例えば、24-70mmのレンズを使っている場合、24mmで撮影をするより、70mmで撮影をした方が、よりボケるという事です。

もっと望遠のレンズ、135mmや200mm、300mmというレンズを使えば、よりボカす事が出来るようになります。

撮影距離

 使うレンズにより『最短撮影距離』が決まっていますが、撮影をするときにできるだけ被写体に寄って、レンズのピントが合うギリギリのところで撮影をした方が、よりボカす事が出来ます。

逆に被写体から離れれば離れるほど、ボケの効果が薄くなります。

もちろん寄り過ぎて、必要な部分が写らないのであれば、チョイスしたレンズの焦点距離が間違っていますので、その点は注意してください。(あくまで、撮りたい写真を撮ることが最優先です。)

被写体と背景の距離

 撮影距離とは異なり、被写体と背景の距離も重要なポイントになります。

被写体が壁等に背中をつけていると、カメラから被写体までの距離>被写体と背景の距離となり、殆ど背景がボケなくなります。

逆に背景が山や海のように遠くにあり、カメラから被写体までの距離<被写体と背景の距離となると自然とボケた写真になります。

まとめ

前述の項目をまとめてみると下の表になります。

  ボケが強い ボケが弱い
F値(絞り) 小さい 大きい
焦点距離 長い(望遠) 短い(広角)
撮影距離 近い 遠い
被写体と背景の距離 遠い 近い

これらの4要素を理解して使いこなせれば、ボケの強弱をコントロールすることが出来ます。

しかし、どれか1つの要素でボカそうとしてもうまくいかない時は、他の要素が邪魔をしていることがあります。

例えば、もともと焦点距離の短い=広角レンズを使って、被写体から離れて撮影をすれば、F値を小さくしてもボケが得られない場合もあります。

逆に被写体に限りなく寄って撮影をすれば、スマホで撮影してもボケを得ることもできます。

全ての要素を組合わせることでかなりボカす事が可能ですが、撮影する環境により、使える要素が異なってきますので、全てをマスターしておくと撮影の幅を広げる事ができるでしょう。

参考記事

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