写真の明るさが安定しないときに試してみたい撮影方法
公開日:2017.04.03
写真の明るさが安定しない?理由とは
ポートレートを撮影している時に、モデルの顔向きが変わったり、撮影ポジションをチョット移動したりすると、同じ場所で撮影しているのにもかかわらず、写真が妙に明るくなったり、暗くなったりして安定しない事があります。
連続して撮影した写真が明るくなったり暗くなったりすると(後から調整できるとはいえ)見栄えのいいものではありません。
写真の明るさが1枚1枚変わる理由は、カメラ内で露出を自動で行なう機能=AE(Automatic Exposureの略)が働いているからです。
この機能のおかげで、気楽に写真を撮ることができるので、普段は便利な機能ですが、光の状況が目まぐるしく変わる時にこの機能が敏感に反応することによって、撮影を難しくすることがありますので、手動で調整する方法を身につけておきましょう。
AEロックを使ってみる
撮影時に露出をロックする機能としてAEロックがあります。一眼レフやミラーレスカメラではAEロックが独立して設定できるようなボタンが設けられている場合があります。
(キャノンの場合*マーク)
普段撮影をする際は、オート・プログラム・Tv・Avモードに設定されていることが多いと思いますが、この段階ではシャッターボタンを半押しすることで露出(シャッタースピード、ISO)が固定され、その状態で露出は変えずにフレーミングを変えてゆくことができます。
しかし、カメラやメーカーにもよりますが、こういったAEロックだとシャッターボタンを押すたびに設定した露出が解除されてしまい、何枚も同じ設定で撮影をすることが出来ない場合があります。
マニュアルモードを使う
AEモードを使っても問題が解決できない場合、カメラの設定=シャッタースピード、絞り、ISO感度を完全に固定することができます。
設定を完全に固定してしまえば、何度シャッターを切っても同じ露出で撮影することができます。
マニュアルモードでの撮影方法
マニュアルモードで撮影をするためには、普段はカメラが自動で行ってくれている設定をカメラマンが全て指定をする必要があります。
設定をしなければならないのは、
- シャッタースピード
- 絞り
- ISO感度
- ホワイトバランス
の4項目ですが、明るさだけが問題なら、ホワイトバランスだけはオートにして、カメラに任せてもいいかもしれません。
手順としては、
1.露出計などを使い、設定をいくつか変更しながら撮影して、自分が適正と思える写真を見つけます。
2.その時のシャッタースピード、絞り、ISO感度を覚えておき、
3.カメラの撮影モードをマニュアル(M)に変更し、それぞれを先ほど覚えておいた数値に設定します。
4.問題がなければそのまま撮影を続け、
5.最後にマニュアルモードを、撮影前のモードに戻しましょう。
マニュアルモードの注意点
マニュアルモードは、同じ設定で撮り続けられるという利点がありますが、撮影場所・状態が変わると、その都度、カメラマンが設定を変えなければならないという欠点も持ち合わせています。
スタジオで光が安定的に供給される状態では、これ以上望めない程のモードですが、屋外での状況の変化に素早く対応できません。
屋外で太陽の位置が変わったり、雲が流れて日差しの強さが変わったりすると、思っている以上に明るさが変わることもあります。そんな時はすぐにマニュアルモードから元のモード(TvやAv)に戻しましょう。
撮影状況が変わった時に、環境の変化に気づかなかったり、設定を変えることを忘れると、以降の写真が(明るすぎたり、暗すぎたりして)使い物にならないことがあります。
現在撮影している環境ではなく、マニュアルモードにした時の設定なのですから・・・
プロになりたてのカメラマンでも同じ失敗をすることがあるようですので、我々はより注意が必要ですね。
その結果、撮り直しのために日程と費用がもう一度かかったりしますので、趣味で撮っている場合は、『失敗』で済みますが、仕事の場合は、とんでもないロスになります。
撮影時に設定を見返す習慣が出来上がる前には、スタジオなど光が安定している場所以外ではあまり使わない方が賢明かもしれませんが、是非トライしていただきたい撮影方法です。
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