レンズの最短撮影距離で撮るポートレート
公開日:2015.03.03
女性の表情を撮影する時、どんなレンズを使いますか?
写真を撮る時、被写体に寄りすぎると全体を見渡すことができなくなり、写真を見る人に全体イメージを伝えづらくなる反面、一歩でも近づくことでインパクトの強い写真を撮ることができます。
しかしながら、どこまでも被写体に寄れるわけではなく、使用するレンズにより、寄れる距離が決まっています。
パンフレットやサイトでは、最短撮影距離と表記されており、この距離よりも近づきすぎると、シャッターが押せなくなります。
自分はできるだけ被写体に寄れるようにするために、最短撮影距離の短いレンズを探して使っています。
最短撮影距離とは
最短撮影距離は、レンズが被写体に対して寄る事のできる距離を示す数値で、この数字が小さければ小さいほど被写体に寄ることが可能です。
例えば、最短撮影距離が45cmのレンズの場合、被写体から45cm以上離れていないとシャッターを押すことができませんし、AFの場合ピントが合いません。(MFの場合シャッターを押すことができますが、ピントが合いません。)
しかしながら、この距離はレンズのどこからの距離でしょう?
レンズの先端?
レンズの取付位置?
実は、撮影素子のある所からの距離になります。
左の写真の赤丸の部分がカメラの映像素子がある場所で、ここからの距離。
Canon EOS5D mark3の場合、この映像素子からレンズの取付位置まで約4.7cmありますので、仮に最短撮影距離が30㎝のレンズを使う場合、約5㎝短くなります。
ワーキングディスタンス
ワーキングディスタンスとは、レンズの先端から被写体までの距離の事をいいます。
こちらの方が最短撮影距離と異なりわかりやすいですが、数値として公開はされていません。
いつも使っているEF24-105mm F4L IS USMを例を挙げてみるましょう。
Canonのサイトによると、EF24-105mm F4L IS USMは
最大径×長さ φ83.5mm×107mm
最短撮影距離 0.45(マクロ)m
となっています。
最短撮影距離は45cm。
レンズの長さは10.7cm(24㎜時)。
よって45(最短撮影距離)-10.7(長さ)-4.7(映像素子からレンズ取付位置まで)cm=29.6㎝。
約30㎝の距離まで被写体に寄ることが可能という事になり、これが最も寄って撮った時のワーキングディスタンスとなります。
実際には計測しながら撮影するわけではありませんので、AF設定の場合は被写体に近づいてシャッターが押せない位置まで来たら、一歩下がるようにすればいいでしょう。
インパクトのある写真を撮るために
ポートレートを撮る際、写真にインパクトを与えたいと思いますよね。
自分は女性の表情、しかも瞳の見せ方が重要と考えており、その為には被写体の瞳をジャスピンで、しかも本人以上に(失礼)綺麗に撮りたいと考えています。(よく奇跡の一枚とか言われている写真の事)
そんな時に重要なのが、(被写体は女性ですから嫌がられない位の距離で)一歩でも被写体に寄ること。
被写体には『近づきすぎたら言って』と言いながら、ガンガン寄っていきます。(撮影中の表情で嫌ならすぐにわかりますけどね。)
寄るためには最短撮影距離の短いレンズが必要なのは言うまでもなく、体感でどの位寄れるのか理解しておく必要がありますが、作品が変わりばえしないと感じたり、新しい作風にチャレンジしたいと考えているのなら試してみてはいかがでしょうか。
望遠レンズで撮影した写真と一味違う写真が撮れますよ。
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