Carl Zeiss Batis 1.8/85を使って透明感のある写真を撮る
公開日:2017.03.20
各カメラメーカーからも気合の入ったラインナップが揃っている85mm単焦点レンズ。
管理人が使っているカメラメーカー、Canonから2本、Sonyから2本が発売されており、レンズメーカーのSigmaやTAMRONを加えると、どのレンズを使うのがいいのか迷ってしまうほどの本数が発売になっています。
そんな中、管理人が使っている85㎜単焦点レンズはcarl zeiss(カールツァイス) Batis 1.8/85。
ロケハンをしていない撮影現場や屋内ではズームレンズを使う事が多いですが、ある程度本気モードで作品撮りをする時や、屋外で『透明感のある写真を撮って欲しい』と依頼された時に使うのがBatis 1.8/85です。
この記事の内容
Carl Zeiss Batis 1.8/85の特徴
Carl Zeissなのにオートフォーカスと手振れ補正が使える上、防塵防滴仕様
『Carl Zeiss Batis 2/25』でも触れていますが、Carl Zeissは原則マニュアルフォーカスで使用するレンズです。
しかしながら、Batisシリーズは数少ないオートフォーカス(AF)が使えるレンズ。じっくり被写体を撮るような撮影ならいざ知らず、テンポよく人物を撮影していくにはAFは欠かせません。
自分は本家のZeissレンズを使いたくて、SonyのEマウントカメラを使い始めたほどです。
おまけに、このレンズにはBatis 2/25でも搭載されていない、手振れ補正機能がついています。
α7Ⅱ以降の5軸ボディ内手ブレ補正機能を搭載したカメラを使っている場合はあまり感じませんが、α6000等初期のカメラを使う場合、レンズ本体に手振れ補正機能がついていることが非常に頼もしいです。
あまり意識したことはありませんが、『α7RⅡのボディ内手ブレ補正との組み合わせで、4-4.5段分の補正効果』があるらしい…。
後は、金額の高いレンズには大抵施されている防塵防滴仕様。こちらは10万円以上するレンズなのだから、ついていて当たり前感が強いです。
Carl Zeiss独自のTスターコーティング
Carl Zeissには、同社オリジナルなコーティングがレンズに蒸着されており、光透過率が改善されています。このコーティングをT★(てぃーすたー)コーティングと呼び、Carl Zeissレンズの売りの一つとなっています。(参考:レンズ史に名を刻むツァイスの真価)
解放から素晴らしいボケとシャープな画質
さて、肝心の使用感はというと、最初は解放絞りがf1.4まであればいいと、少し不満に思っていたのですが、実際に使って、レンズの大きさやボケの具合を見ると、解放f1.8で充分なのだと感じました。
むしろレンズ本体が452gと軽くなることによって家から持出しやすく、使いやすい方が重要です。重いレンズだと使わなくなることが多いですし、カメラ本体とのバランスも悪くなりますからね。
下の写真は最短撮影距離から解放f1.8で撮影していますが、この時点で背景がかなりボケています。何処で撮ったのかもよくわからない程です。
上の写真から瞳の部分だけトリミングしてみたのがこの写真です(100%表示)。この時点で既に奥の目がボケています。実際に背景のボケ等を考慮して撮影する場合、もう少し絞った方がいいかもしれません。
全身を撮影すると、被写体からの距離が離れるため、ボケの度合いが少なくなりますが、ピントの合っている面はかなりシャープです。
レンズによっては、シャープさを得るために1段~2段絞る必要がありますが、本レンズは解放からかなりシャープなので、ボケの程度を調整するためだけに絞り値を選ぶことが出来ます。
『歪曲は糸巻き型がかなり目立ち、後処理での補正が必要』との評価がありますが、ポートレートを撮影している限りにおいてはそれほど気にしないでよさそうです。
被写体が壁面に近くてもボケが得られる
屋外では解放で撮影をすると背景がボケすぎてよくわからない状況でしたので、壁面に近づいてもらい撮影をしてみました。真正面から撮影したのでは差がわかないと思いますので、角度をつけて前ボケと後ろボケを比較してみてください。
各メーカーが販売している85㎜単焦点レンズとの比較
各カメラメーカーから発売されている同レベルの85㎜単焦点レンズを比較してみると、それほど差が無いように見受けれらます。(Sigmaだけ重量が倍以上ですが・・・)
後は、ご自分の好きな画が撮れるレンズを選ぶとか、既に使っているカメラメーカーを使えばいいと思います。
メーカー | ZEISS | Canon | SIGMA | Nikon |
名称 | Batis 1.8/85 | EF85mm F1.8 USM | 85mm F1.4 DG HSM |
AF-S NIKKOR 85mm f/1.8G |
解放F値 | F1.8 | F1.8 | F1.4 | F1.8 |
絞り羽枚数 | 9枚(円形絞り) | 8枚 | 9枚(円形絞り) | 7枚(円形絞り) |
レンズ構成 | 8群11枚 | 7群9枚 | 12群14枚 | 9群9枚 |
最短撮影距離 | 80cm | 85cm | 85cm | 80cm |
寸法 | φ81mm × 105mm | φ75mm × 71.5mm | φ94.7mm × 126.2mm | φ80mm × 73mm |
重量 | 452g | 425g | 1,130g | 350g |
フィルター径 | 86㎜ | 58mm | 86mm | 67mm |
Batis 1.8/85は屋外で透明感のあるポートレートを撮るには最高なレンズ
実際に宣材やポートレートで使うとこんな感じでまとまります。
この写真ではモデルから1m位離れて、f8.0まで絞って背景の桜を程よく見せる感じにしました。(f8.0まで絞ってもこれ位ボケています。)モデル本人の希望により少しふんわりした雰囲気にしています。
Carl ZeissのレンズはOtusのように実売価格で50万円を超えるものがある位、高級レンズとして認知されていますが、本レンズは10万円台で収まっていますので、比較的手が出やすいレンズと思います。(それでも十分高いですが。)
85㎜単焦点レンズという事で、屋内では(被写体との距離を思うように取れないことから)使う機会が減ってしまうのは非常に残念ですが、背景がボケている写真はモデルさんにも人気がある!?で撮影している写真も本レンズを使っており、写真公開以降、『透明感のある写真』を撮って欲しいという依頼がモデルさんから増えていますので、女性にも比較的に人気のある画作りができるレンズという事で大変気に入っています。
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