実際にSONY α7Ⅲに買換え、α7Ⅱと比べてみた
公開日:2019.06.12
ご覧いただいている方々にはまるっきり関係が無いのですが、5月はYogiの誕生月というで、(毎年は無理ですが)カメラの新調を行っている月でもあります。
〇〇歳の時に買ったカメラ。
という思い入れと同時に、もう何年使っているんだ。と言う目安にもなりますので以外に便利な自分ルールだったりします。
以前『SONY α6400が発表されて検討した結果・・・』という記事を書いた時に、SONYからハイエンドAPS-C機が出る噂を信じてα6400を見送ったわけですが、未だに新しいAPS-C機は発表されていない状況で、遂に我慢しきれずに、この度α7Ⅲに変えることにしました。
まあ、言い訳としては近年屋外でのメイン機になっていたα7Ⅱも既に10万枚近くシャッターを切っていることもあり、α7Ⅲはテザー撮影もできるようになったし等、色々あります。
今回は、買換えの主な理由と他のサイトでは細かく教えてくれないα7Ⅱとα7Ⅲの機能比較を行いたいと思います。
もちろん、カメラマンの使い方や被写体によって評価が変わると思いますので、本サイトの対象は女性ポートレートが撮りやすくなるか。という点です。
この記事の内容
SONY α7Ⅲが一般的に評価されている点
SONY α7Ⅲは2018年3月23日に発売されたカメラですので、既に1年以上が経過しています。
発売日前から現在に至るまで、多くのカメラマンや販売サイトがレビューをしていますので、ある程度の事は既に説明されており、α7Ⅱとの比較では、
- 瞳AFの精度向上(Ver3.0以上で人だけでなく動物にも対応)
- バッテリーの持ちがよくなった(NP-FZ100という大容量バッテリーを使用)
- サイレントシャッターがついた
- カードスロットが2つになった
という点が結構ポイント高めに評価されています。
(一般サイトでの比較は一番下の方に載せてあります。)
Yogiが評価しているSONY α7Ⅲ改善点4つ
上記の評価はあくまで一般的。
カメラの使い方は被写体と(カメラマンの)撮り方によって全く違うと言っても過言ではありません。
女性ポートレートは、全く動かない被写体ではないし、高速で移動するわけでもないので、カメラ本体に求められる機能はそれほど高くなく、ピントを合わせたい箇所にしっかりピントが合ってくれればいいという感じ。
後は、データのクオリティが高ければ高い方がいい。
そう考えると、最近のカメラは必要十分な機能を既に備えていると思います。
そんな中、α7Ⅱをα7Ⅲに変えることによって得られるメリットと感じている機能が4つあります。
テザー撮影時データをカメラ本体にも保存できるようになった
Yogiはα6000の時に既にテザー撮影を試していましたが、α9が発売になるまでSONYのカメラは、APS-Cとフルサイズのいづれも、テザー撮影を前提としていないと感じていました。
簡単に言うと、テザー撮影とはカメラとコンピューターを繋いで撮影をする技術の事で、主にスタジオカメラマンが使う手法です。(リモート撮影と言われることもあります。)
SONYのカメラがテザー撮影前提としていない理由、それはデータの保存先がコンピューターのみに限定されていたから。
テザー撮影につきましては、別記事でご紹介したいと思いますので、ここでは結果だけ言いますと、α7Ⅲは本体のメモリー内にもデータを保存する事が可能になり、コンピュータに転送できるデータも、RAW、JPEG、両方と選ぶことができるようになりました。
(CanonやNikonではとっくに当たり前だったんだけど・・・)
データ転送速度が上がった
実際に数字として表示できないので心苦しく、メモリースロットの一つがSDXCメモリーカードUHS-IIに対応したという事もあると推測できますが、撮影データの保存・移動等、内部データの処理速度が体感的に向上しています。
データの保存速度が上がると、データ書き込みで待たされることが少なくなるので、撮影時のレスポンスが上がりますし、撮影終了後、PCにデータをコピーする時に時間を短縮することが出来るので非常にありがたいです。
この部分は体感というしかないので、実際に触って試してみてください。
(ただ、α7Ⅲは連写しすぎるとブラックアウトやホワイトアウトして、メモリーを勝手にフォーマットしてしまうという事故も起きているようなので連写のし過ぎは要注意)
カメラのポジション(横位置/縦位置)ごとに、フォーカスエリア・フォーカス枠の位置の使い分けが可能になった
カメラを横位置・縦位置と頻繁に変えない撮影をしている時はあまり気にならないフォーカススポット。特に瞳AFを利用しているとそれほど気にならないかもしれません。
ただ、ポートレート撮影をしている時は結構頻繁にカメラを縦位置にしたり、横位置にしたりしますし、個人的には瞳AFよりはスポット1点で撮影することの方が多いです。
別のカメラの話で恐縮ですが、以前のメイン機(2007年5月31日発売になった)Canon EOS5D MarkⅢには既についていた機能なので、2014年12月5日発売のα7Ⅱにこの機能がついていないときは、カメラメーカーと家電メーカーの違いかと愕然としました。
正直、自動切り替えに慣れていると、この機能が無いとすっごい不便。
α7Ⅲになってようやく実現してくれて嬉しいです。
あと、α7Ⅲのスポット位置設定で面白いと感じたのが、カメラのポジションを横位置から縦位置に変える際、シャッターがある側を上にした場合と、下にした場合のいづれもフォーカスエリア・フォーカス枠の位置を記憶してくれる点。
つまり、横位置1か所・縦位置2か所の計3か所で自動的にフォーカススポットを使い分けができるようになります。
また、撮影した写真を拡大表示する際、α7Ⅱでは写真中央が拡大表示されるのですが、α7Ⅲではピントを合わせた場所が自動的に表示されるようになりました。
これもピントがあっているか確認する時に手間を軽減してくれるので高評価です。
カスタムキーに割当てられるメニューが増加
SONYのUI(ユーザーインターフェース)は使いづらいのが有名で、他のカメラに比べてメニュー数がかなり多く、『これだけ高機能なんだから、自分で好きに調整していいよ』というメーカーの考えが透けて見える気がします。
ただ、自分はα7Ⅱの時、メニュー数が多い割にはカスタムキーには登録できないメニューを頻繁に使っていたので、何処にあるのか覚えづらいメニューを探しながら、いちいちメニューキーから選択して使っていました。
(毎回になると、モデルさんを待たせるし、とても煩わしいわけです。)
今回、α7Ⅲになってからはカスタムキーに登録できるメニューが増えましたので、他のカメラマンはあまり使わないと思えるようなメニューでも登録できるようになりました。
参考までにカスタムキーを記載しますと、
- C1:サイレント撮影(シャッター/手ブレ補正 4/9)
撮影場所によりシャッター音を出したり消したりするため - C2:ライブビュー表示(表示/オートレビュー1 6/9)
通常、ミラーレスカメラは設定時の撮影イメージをライブビューに表示しますが、表示offにすると(一眼レフと同じように)設定が反映されず、現状のまま表示されるようになります。
ストロボを使う時など周りの明るさとマニュアルで調整する明るさが変わる場合に切替えが簡単にできます。 - C3:AF時の顔/瞳優先(AF2 6/14)
瞳AFは便利なのですが、構図を無視した写真になることもあるのでAFスポットを固定にしたい時の切替え用 - C4:フォーカススタンダード
フォーカスエリア・スポットを1発で中央に戻してくれる設定
を設定しています。
SONY α7ⅲとα7ⅱの機能比較
発売から1年弱が経過しているSONY α7ⅲについては、既にカメラ販売サイトや、比較サイトで紹介されている一般的な機能の比較です。
特に目新しいわけではないですが、機能比較という事で。
α7ⅲ | α7ⅱ | |
発売日 | 2018年03月23日 | 2014年12月05日 |
センサー | フルサイズ(35.6×23.8mm) 裏面照射型CMOS |
フルサイズ(35.8×23.9mm) CMOS |
画像処理エンジン | 新世代BIONZ X フロントエンドLSI |
BIONZ X フロントエンドLSI |
画素数 | 総画素:2530万画素 有効画素:2420万画素 |
総画素:2470万画素 有効画素:2430万画素 |
ISO | 100-51200 拡張 50-204800 |
100-25600 拡張 50-25600 |
AF方式 | ファストハイブリッドAF (像面位相差AF、コントラストAF) |
ファストハイブリッドAF (像面位相差AF、コントラストAF) |
測距点 | 693点(位相差) 425点(コントラスト) |
117点(位相差) 25点(コントラスト) |
測距輝度範囲 | EV–3~20 | EV-1~20 |
連写 | 10枚/秒 | 5枚/秒 |
連続撮影可能枚数 | RAW:89枚 JPEG:177枚 RAW&JPG:79枚 |
RAW:30枚 JPEG:200枚 RAW&JPG:27枚 |
シャッタースピード | 1/8000-30秒 | 1/8000-30秒 |
電子先幕シャッター | あり | あり |
サイレントシャッター | あり | なし |
手ぶれ補正 | 5.0段分 | 4.5段分 |
バッテリー | NP-FZ100 | NP-FW50 |
メディアスロット | 2 | 1 |
まとめ:これから買うならα7Ⅲとα7Ⅱのどちらがおススメか?
上記の通り、α7Ⅲとα7Ⅱでは機能に差があり、明らかにα7Ⅲの方が使いやすい機種となっています。
しかしながら、記事を書いている2019年5月末の時点で、α7Ⅲは20万円強、α7Ⅱは15万円弱。実売価格で約8万円位の差が・・・(中古で買うなら差が開く)。
一言ポートレートと言っても、撮影環境や、費やす撮影時間はカメラマンによって異なるので、α7Ⅲとα7Ⅱの価格差を吸収できると考えるのなら、α7Ⅲをおススメします。
(あと、撮影会メインで、時間に追われる撮影をする方も)
個人的には、α7Ⅱはスタジオ撮影する時の環境が整っていなかった点と、既にシャッター耐久回数に届く位の撮影をしていたため、今回α7Ⅲに買換えをしましたが、(スタジオでテザー撮影する等)特殊な環境で撮影をするわけではなく、普通に屋外やスタジオでフルサイズカメラを楽しみたいと考えているのであればα7Ⅱはまだまだ現役として使っていけると思います。
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