ポートレート撮影のプロが教える!スマホで撮る美しい人物写真のテクニック

ポートレートの撮り方

スマートフォンが普及して以降、多くの人々が手軽にカメラを持ち歩き、日々の生活を写真に残すことができるようになりました。
その中でも、人物を撮影する「ポートレート写真」は、人気が高く、特にSNSなどでの共有が盛んです。

しかし、スマートフォンでポートレート写真を撮ることは、一見簡単そうでも、実は難しいもので、ライティングや構図、被写体の表情やポーズなど、多くの要素が絡み合い、上手く撮影するには技術とセンスが必要です。

そこで、本記事では、「ポートレート スマホ」で検索されるユーザーが最も知りたいことや悩んでいることを解決するため、プロのカメラマンが教えるスマートフォンでのポートレート撮影のコツやテクニックを紹介します。
スマートフォンでもプロのような美しいポートレート写真を撮るためのノウハウを、ぜひこの記事で学んでみてください。

スマホでポートレート写真を撮る前に抑えておくべき基本知識

スマホでポートレート写真を撮るためには、まずは基本知識を抑えておく必要があります。以下では、スマホカメラの基本機能の使い方と、ポートレート写真の基本的な撮影テクニックについて解説します。

スマホカメラの基本機能の使い方

スマホのカメラは、撮影モードや設定方法によって様々な表情を撮影することができます。まずは、以下の基本機能の使い方をマスターしておきましょう。

・オートモード:撮影モードの中で一番基本的なもので、カメラが自動的に設定を調整して最適な撮影環境を作り出します。シンプルな操作で、手軽に美しいポートレート写真を撮影することができます。

・手動モード:露出やシャッタースピード、ISO感度などを自分で設定することができるモードです。自分好みの撮影条件を設定して、自由な発想で撮影することができます。

・フラッシュ:暗い場所での撮影や、モデルの表情を明るく浮かび上がらせるために使用することができます。ただし、フラッシュを使う場合は、モデルに負担をかけてしまうこともあるため、注意が必要です。

ポートレート写真の基本的な撮影テクニック

ポートレート写真を撮る際には、以下の基本的な撮影テクニックを抑えておくことが大切です。

・焦点距離:スマホカメラのレンズの焦点距離は、一般的に28mm〜35mm相当となっています。これは撮影対象の顔に近づきすぎないようにするためで、遠目から撮影するように心がけましょう。

・背景:ポートレート写真では、モデルの表情を引き立てるような背景を選ぶことが大切です。人工的な背景よりも、自然な背景を選ぶことで、ポートレート写真に自然な雰囲気を与えることができます。

・ライティング:ライティングは、ポートレート写真の雰囲気や表情を左右する重要な要素です。スマホのフラッシュや、周囲の光を活用して、適切な明るさを出すようにしましょう。また、ライティングの方向によっても表情が変わるため、様々な角度から撮影してみると良いでしょう。

・ポーズ:ポートレート写真でモデルがとるポーズは、その人の個性や魅力を引き出す重要な要素です。自然な表情やポーズを引き出すためには、撮影前にコミュニケーションを取り、リラックスさせることが大切です。

以上が、スマホでポートレート写真を撮るために抑えておくべき基本知識です。スマホカメラの使い方やポートレート写真の撮影テクニックをマスターして、美しいポートレート写真を撮影してみましょう。

スマホカメラでポートレート写真を撮影するための具体的なテクニック

上項では、スマホでポートレート写真を撮る前に抑えておくべき基本知識についてご紹介しました。今回は、より具体的な撮影テクニックについてご説明します。

ポーズや表情のコツ

ポートレート写真でのモデルのポーズや表情は、その人の魅力を引き出すために非常に重要です。ポーズに関しては、リラックスさせることが大切です。カメラに向かって真正面に立たせるのではなく、少し斜めにしたり、体をひねったりすると自然な表情になります。また、手や足の位置を変えることでバランスをとることもポイントです。

表情については、笑顔だけでなく、真剣な表情やちょっとした表情も撮ってみると良いでしょう。また、目線をカメラに向けるのではなく、周囲に向けることで、より自然な表情を引き出すことができます。

照明テクニック

照明はポートレート写真で非常に重要な要素です。自然光を活用する場合は、朝や夕方の柔らかな光がおすすめです。直射日光は、モデルの顔に強い陰影を作るため、避けた方が良いでしょう。室内の場合は、窓からの光を利用することで、柔らかな光を作ることができます。

小道具やグッズの活用法

小道具やグッズを使うことで、ポートレート写真の雰囲気を変えることができます。例えば、帽子やサングラス、アクセサリーを使うことで、おしゃれな雰囲気を作ることができます。また、背景を変えたり、モノクロームにしたりすることで、より印象的なポートレート写真を撮影することができます。

スマホカメラで撮影したポートレート写真を美しく仕上げる方法

スマホカメラで撮影したポートレート写真は、編集アプリを使って美しく仕上げることができます。編集アプリを使うことで、色味や明暗、コントラストなどの調整や、ボケ味の追加などが可能になります。ここでは、編集アプリの使い方と、編集時に注意すべきポイントについて紹介します。

編集アプリの使い方

スマホで使える編集アプリは数多くありますが、代表的なものとしては「Snapseed」「VSCO」「Lightroom Mobile」などがあります。これらのアプリは、ダウンロードしてインストールすることで利用することができます。編集アプリを使う際には、まずは撮影した写真をアプリに読み込ませます。次に、各種調整ツールを使って、色味や明暗、コントラスト、シャープネスなどを調整し、好みの仕上がりにすることができます。

編集アプリの使い方

スマホで使える編集アプリは数多くありますが、代表的なものとしては「Snapseed」「VSCO」「Lightroom Mobile」などがあります。これらのアプリは、ダウンロードしてインストールすることで利用することができます。編集アプリを使う際には、まずは撮影した写真をアプリに読み込ませます。次に、各種調整ツールを使って、色味や明暗、コントラスト、シャープネスなどを調整し、好みの仕上がりにすることができます。

編集時に注意すべきポイント

編集時には、以下の点に注意することで、より写真をきれいに魅せることができます。

・自然な仕上がりにすること
写真を編集する際には、自然な仕上がりを目指すことが重要です。顔色を調整しすぎたり、目や口元の質感を消してしまうと、不自然な印象を与えてしまいます。また、ボケ味を追加する際にも、自然な仕上がりにすることが大切です。

・細かい調整をすること
ポートレート写真は、人物の表情や雰囲気が写真の魅力となります。そのため、顔色や明暗などの細かい調整をすることが大切です。ただし、あまりにも細かく調整しすぎると、不自然な印象を与えてしまうこともあるため、適度な調整が必要です。

・編集によって写真の良さを引き出すこと
編集によって、写真の良さを引き出すことができます。例えば、ポートレート写真は背景がボケていることが多いため、背景を強調することで、写真全体の印象を変えることができます。また、編集時に注意すべきポイントとして、過剰な修正や加工は避けることが大切です。肌の質感や自然な色合いを保つためにも、少しの修正にとどめ、できる限り自然な仕上がりを目指しましょう。

さらに、撮影時に意識していた構図やポーズなどを活かし、編集時にもそれを意識することが重要です。例えば、顔の向きや角度を微調整したり、背景の明るさや色調を調整したりすることで、より美しい仕上がりになります。

編集アプリの選び方も大切なポイントです。簡単に使えるものからプロ並みの機能を持つものまで様々ありますが、自分に合ったものを選ぶことが肝心です。また、アプリを使いこなすためには練習が必要ですので、実際に写真を編集してみることをおすすめします。

以上が、スマホで撮影したポートレート写真を美しく仕上げる方法についての基本知識です。編集アプリの使い方や編集時の注意点を意識することで、より美しい仕上がりの写真を撮影することができます。

デジタルカメラとスマホの写真を比べてみる

さて、ここからがポートレートカメラマンとしての真骨頂なのですが、実際にスマホで撮影したポートレートとデジタルカメラ(一眼やミラーレス)で撮影した写真に違いはあるのでしょうか?

屋外で撮影したポートレート

屋外でデジタルカメラとスマホの撮り比べをしてみましょう。
本サイトではポートレートがメインですので、あくまで被写体は女性、被写体と背景の距離を稼ぐことの出来る東京駅丸の内中央での撮影してみました。

デジカメとスマホの写真の違い

スマホを使った写真サンプル

 

デジカメとスマホの写真の違い

SONYα6000+Batis1.8/85で撮影した写真サンプル

同じ位置から撮影したにも関わらず、背景のボケ方がまるっきり違います。
スマホもズーム機能を使い、同じような画角になるように調整をし、スマホはオート(SS:1/1637、f2.2、ISO:25)、デジカメは絞り優先(SS:1/400、f1.8、ISO:100)で撮影をしています。

屋内で撮影したポートレート

屋内でデジタルカメラとスマホの撮り比べをしてみましょう。
屋外と屋内の違いを強調したかったという事もありますが、白ホリスタジオでオーディション写真を撮った後に、バックペーパーを使い撮影をしてみました。

デジカメとスマホの写真の違い

スマホを使った写真サンプル

 

デジカメとスマホの写真の違い

Canon EOS5DMarkⅢ+EF24-105IS USMで撮影した写真サンプル

室内で撮影をすると、屋外のような背景のボケが無いため、ほとんど差を感じません。最近のオーディションに提出する写真がスマホで撮影した写真でも認められるようになってきたことにも納得がいきます。
屋外と同じように、スマホもズーム機能を使い同じような画角で、スマホはオート(SS:1/40、f2.2、ISO:32)デジカメはマニュアルモード(SS1/125、f5.6、ISO200)で撮影をしています。

デジタルカメラとスマホで撮影した写真の違い

ポートレートの撮り方は同じようにしていても、実際に出来上がった写真を見ると、やはりデジタルカメラに軍配が上がりそうです。
実際にデジタルカメラとスマホで撮影した写真の違いを考えてみます。

保存データクオリティの違い

 今回撮影に使用した写真は
・SONY α6000:6000×4000px 300dpi(RAW)
・Canon EOS5D MarkⅢ:5760×3840px 300dpi(RAW)
・Apple iPhone6 Plusで、4032×3024px 72dpi(jpeg)
が元データとなり、RAWデータは、Adobe PhotoShop Lightroom CCにて現像をしています。

データとしての大きさはそれほど遜色がありませんが、デジカメとiPhoneではデータの密度(dpi)が全然違う事がわかります。写真を見比べていただいても、iphoneの写真の方がのっぺりしているように感じないでしょうか?

もちろん、デジカメの場合、JPEG形式にて保存する(RAW形式を選ばない)事も可能ですが、RAW形式で保存することにより、後日補正や修正等自由に加工できる自由度を放棄する必要はまったくと言っていいほど感じません。

使うレンズの違い

今回撮影に使用したiPhone 6 Plusで使われているレンズは、4.15mm F2.2(35mm換算29mm)だそうです。
(参考:iPhone 6・iPhone 6 PlusのiSightカメラレンズはiPhone 5sと同仕様、FaceTimeカメラは性能アップ
明るいレンズと言えるでしょうが、個人的にはお世辞にもいいレンズとは言えないと思います。

デジカメのレンズはレンズ交換が可能なため、広角から望遠、明るいレンズから暗いレンズまで、利用者の好みで自由に変えることで、背景ボケの度合いや写真のディティールまで表現する事が出来ます。

結論

実際にスマホの写真をみて、デジカメを買う必要はないな。と感じた方もいらっしゃるかと思います。

写真を撮る目的は、ポートレートを撮影するだけではなく、メモとして利用したり、サイトやSNSで状況説明のために使う事も少なくありませんので、そういう場合は普段から持ち歩いているスマホの写真でもよろしいのではないでしょうか。

実際に自分もメモの代わりに写真を撮る時はスマホで撮影(コンデジは使わなくなりました)をしています。

上記に掲載したようにサイトやSNSで写真を使う分にはそれほど画質の差が表れてきませんが、データを100%表示にして見比べると、スマホのデータは粒子が荒く、レタッチや素材パーツとして再利用する場合、クオリティの点で疑問がかなり残ります。

(自分は利用したことがありませんが)フォトブックのためにデジカメデータとスマホデータを併用すると、印刷結果に明らかな差があると聞いた事がありますし、個人的に仕事で印刷用の写真データをよく扱いますが、その時にもクオリティの差をはっきりと感じますので、少なくとも今の段階では、デジカメの方に一日の長があるという感じでしょう。

個人的には、将来に残す必要がある旅行や家族等の記念写真や、印刷を前提とする写真を撮る場合は、できるだけクオリティの高いレンズを使ったデジカメでRAW形式にて撮影することをお奨めしていますが、あくまで撮影後のデータでの話であり、写真を上手に撮るという点においてテクニックは共通と考えています。

是非、ここでご紹介している点を理解して、いい写真を記念としても残してもらえればうれしいです。

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