便利な瞳AFは使った方がいいケースと使わない方がいいケースがある

浅草浴衣撮影

カメラメーカーやカメラ雑誌の特集は、最近のミラーレスカメラは『瞳AF』が重要とばかり、AF精度の話が多い。
瞳AFはカメラが被写体の瞳=目を見つけて自動でピントを合わせてくれる機能だ。
以前、『ポートレートのピントはどこに合わせればいい?』で、左右どちらの目にピントを合わせればいいかご紹介したことがあるけど、カメラが自動判断してピント合せをしてくれる。

特に動物の瞳までピント合せができるようになるなど、技術の進歩には感嘆を禁じ得ないが、自分はα7Ⅲを手に入れた後『瞳AF』を軽く使ってみたけれど、今までほとんど使っていなかった。
実際みんな使ってるのかな?

瞳AF

実際の撮影現場で『瞳AF』を使ってみた

先日、浅草で浴衣撮影の依頼を受けた時に、浅草寺は人が多く、細かな設定をしながらゆっくり撮影をしている余裕がなかったので、『瞳AF』を使ってみた。

人を避けながら撮るような余裕のない撮影や、細かいAFポイントを調整できないときには抜群のサポート機能だと再認識した。

しかしながら、普段使っているシングルフォーカスを使ったほうがいいケースもあるので、どんなケースなら瞳AFを使ったほうがいいのか試してみる事にしよう。

瞳AFを使わない方がいい3つのケース

最初は、今まで通り瞳AFを使わない方がいいケース。
そもそも瞳AFは、ミラーレスカメラについている機能で、一眼レフカメラにはついていない。

色々なカメラを使う必要のない人には無用の心配だけど、瞳AFに慣れてしまうと、一眼レフカメラを使う時に戸惑う事にもなりかねない。

写真の構図を変えたくない撮影

意外と重要なのが、構図が微妙に変わる点。

瞳AFは被写体が若干動いても、直ぐにAFが関知してピントを合わせてくれるので、撮影時には非常にありがたいのだが、後ほど写真を見返してみると、被写体の立ち位置というか、被写体と周りの空間の面積に一定間が無いというか、1枚1枚上下左右の空間面積が変わってしまう。

気にいった写真を1枚だけ被写体に渡すというような使い方ならばれないが、宣材やプロフ写真等、撮った写真を全て納品するというスタイルのカメラマンにとって、同じ環境で撮影した写真の中で、被写体と周りの空間の面積にズレが生じるのは、撮影の腕を疑われることになりかねない。

オートフォーカスの設定を頻繁に変えなければならない

瞳AFは設定を戻すのに手間がかかる
フォーカス設定の変更に2回作業が必要となる。

例えば瞳AFを使っている環境からシングルAFに切り替えたいと思ったら、自分が使っているSONY α7Ⅲの場合、フォーカスエリアをフレキシブルスポットにして、瞳AFのON/OFFを切り替える必要がある。

自分は『実際にSONY α7Ⅲに買換え、α7Ⅱと比べてみた』でご紹介しているように瞳AFのON/OFF設定をカスタムキーに指定をしているので、若干操作が速いが、それでも直ぐに変更をすることができない。

直ぐにAFポイントを変えることが出来ないのは、急ぎの撮影では結構きつい。

写真のピントがシビアな撮影

かなり重要なのが、写真を拡大表示した時、ピントが甘い写真がある事。

撮影をしている時はその場のリズムで撮影をするから、(気にしていると撮影がままならないので)左右のどちらの目にピントが合っているかそれほど気にしないのだが、撮影が終わって、RAW現像の段階になると、ピントが緩い事=欲しい方の瞳にピントが合っていない事がままある。

実際シングルフォーカスでも、ジャスピンではない事があるので文句も言えないが、それでもピントが来て欲しい箇所に来ていないのはいただけない。

ただ、これはあくまでPCのモニターで100%以上に表示をした場合。
納品用にファイルサイズを小さくしてしまうと、ほとんど気にならないレベルではある。

自分が求めるクオリティは、モデルが芸能活動のために使うプロフや宣材写真として使えるレベル。
ある程度ビジネスで撮影する事が前提となっているので、一般の使い方に比べると求める技術も高いものになる。

折角いい写真が撮れたのに、ブログやSNSで使うには問題が無くても、A3とかB2とか拡大してみたらピントが合っていなかった。という事は避けなければならない。
(場合によってはB0とか、それ以上になっていることもあるし…)

そういうシビアな状況では瞳AFに任せるのではなく、きちんと自分で左右の瞳にピントを合わせることのできるシングルフォーカスの方が信用できる。

瞳AFを使ったほうが楽な4つのケース

結構こき下ろした感があるけれど、瞳AFは普通にポートレートを撮るのであれば超便利な機能。
ポートレートを始めたばかりのカメラマンや、旅行等の記念写真として使うには十分すぎるほどの性能を既に持っている。

今のところ、瞳AFは全ての環境でパーフェクトに使えるという状況ではなく、自分が満足できない3つの理由をご紹介したが、それとは逆の状況であれば、瞳AFを使うメリットは十分にある。

  • 素早く撮りたい復元性のない環境
    ウェディングやスポーツ撮影等、失敗が許されない撮影
  • 運動等シングルフォーカスで追うのが難しい被写体
    子供たちが走り回ったり、モデルがポーズを大きく変えるような撮影
  • ピントの精度をあまり気にしなくてもいい絞った状況
    絞りをf5.6とかf8.0以上にする等、それほどピント合せに精度を要求されない撮影
  • 被写体から距離が離れている現場
    左右の目の差がほとんど感じられない程カメラマンと被写体に距離がある望遠レンズ等を使う撮影

では瞳AFの機能を最大限利用することが出来るだろう。

実際に浅草の撮影では、少し絞ってはいるが、瞳AFの精度は満足の行くものだったし、周りの人にそれほど迷惑をかけずに撮影を終える事ができた。

この点は技術の進歩に感謝して、撮影環境によって使分けをしていきたいと感じた。

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