スタジオ撮影の靴、養生してますか?背景紙トラブルを防ぐ裏貼り

作品撮り

スタジオ撮影は基本的に土足禁止です。とはいえ、撮影のたびに新しい靴を用意するのは現実的ではないため、外で履いた靴や、すでに何度か使った靴をそのまま撮影に持ち込むことになるのが普通です。

ここで新人モデルさんがよく知らずに踏んでしまうのが、「靴の裏の養生(裏貼り)」というひと手間です。これを知らないままいきなり背景紙(バックペーパー)や白ホリの上に乗ってしまうと、現場で気まずい空気になったり、後から思わぬトラブルにつながったりします。

この記事では、なぜ養生が必要なのか、養生をしないとどうなるのか、そして具体的にどう養生すればいいのかを、実務的な視点でまとめました。

なぜスタジオでは靴の養生が必要なのか

スタジオの背景紙や白ホリは、真っ白であること自体が商品価値です。そこに靴底の汚れがついてしまうと、次のような影響が連鎖的に発生します。

  • 撮影中に汚れに気づいた場合、汚れた部分を切り取って新しい背景紙を引き直す必要があり、撮影が中断してその分の時間がかかる
  • 撮影後に気づいた場合、写り込んだ汚れをレタッチ(Photoshop等)で消す作業が追加で発生する
  • 背景紙自体を切り取ることになるため、スタジオ側の経費(消耗品コスト)がかさむ

つまり養生をサボることは、「自分の見た目の話」ではなく、その場にいる全員の時間とお金に影響する話です。経験豊富なモデルや、専属のヘアメイク・スタイリストが同行している現場では自然と対応されていることが多いのですが、衣装から靴まですべて自分で用意する新人モデルさんの場合は特に見落としやすいポイントです。

養生をしないとどうなるか

実際に養生をせずに白い背景紙の上に乗ってしまうと、靴底に付着していた汚れやゴムの色が紙に移り、その部分だけ黒っぽく汚れてしまいます。未使用に近い靴であっても、ポージング中に体重がかかることでゴムの色が転写されることがあるため、「見た目がきれいな靴だから大丈夫」とは言い切れません。

汚れた白ウォールペーパー

汚れた背景紙をそのまま撮影に使い続けるわけにはいかないため、現場では汚れた部分を切り取って新しい紙を引き直す対応が取られます。これが撮影のたびに繰り返されると、時間のロスと経費の両方が積み重なっていきます。ちょっとした気遣いのつもりでも、現場では「わかっている人だな」という信頼につながる部分でもあります。

靴の裏を養生する具体的な方法

基本はテープでの裏貼り

靴底のフロアと接地する面全体を、粘着力の弱いテープで覆うのが基本です。マスキングテープであれば剥がしやすく、養生自体も目立ちにくいためおすすめです。踵(ヒール)部分は特に忘れやすいので、必ず一緒に覆っておきましょう。

ガムテープは避けたほうが無難です。粘着力が強すぎるため、剥がした後に靴の裏がベタベタして残ってしまうことがあります。

 プロフィール撮影時にモデルさんが当日使用するシューズをお借りしました。
外では使っていないという事でしたので綺麗な裏面でしたが、当日は白ウォールペーパーをバックにプロフ撮影のため、多少の汚れもつかないように裏貼りします。

 

 シューズ裏面の直接フロアと触れる箇所にテープを貼り、シューズの裏についている(かもしれない)汚れがウォールペーパーにつかないようにします。
実際、未使用のシューズでもポージング中に体重がかかることでゴム部分の色がウォールペーパーにつくことがありますので、裏貼りをした方が安全です。
この時は、マスキングテープを使いました。

フェルトという選択肢もある

テープ以外に、靴底にフェルトを貼るという方法を採用しているスタジオもあります。フェルトは光を反射しないため、万一靴底が写真に写り込んでしまっても違和感が出にくく、レタッチの手間を減らせるというメリットがあります。テープでの養生を指定していないスタジオでも使える汎用的な方法として覚えておくと安心です。

ヒール部分の扱いについて

ピンヒールなど、テープでの養生がしにくい形状の靴もあります。スタジオによっては、そうした部分は使用前にウェットティッシュなどで汚れを拭き取ることで代用可としている場合もあります。ただし対応はスタジオごとに異なるため、次の項目で触れる事前確認が重要になります。

いつ・誰がやるべきか

養生は、撮影がスタートしてから慌てて行うものではありません。ヘアメイクや衣装チェックをしている待ち時間の間に済ませておくのが理想です。

スタジオ撮影の経験が少ないモデルさんほど、養生を済ませる前に感覚的に背景紙の上に乗ってしまう傾向があります。本人任せにせず、周りのスタッフやカメラマンが「先に靴の裏、貼っておきましょうか」と一声かけてあげられると、現場がスムーズに進みます。

撮影前に確認しておきたいこと

養生のルールは、実はスタジオによって細かく異なります。テープの色を指定している、フェルトでの養生を推奨・指定している、養生用のテープを無料で用意している、など対応はさまざまです。「いつも通りのやり方で大丈夫」と思い込まず、初めて利用するスタジオでは公式サイトの注意事項を確認する、または当日スタッフに「養生はどのようにすればよいですか」と一言確認しておくと安心です。

まとめ

  • スタジオの背景紙は白さ自体が商品価値。靴底の汚れは撮影の遅延・レタッチ・経費増につながる
  • 養生をしないと、未使用に近い靴でも背景紙にゴムの色が転写されることがある
  • 基本の養生はマスキングテープでの裏貼り。ガムテープは粘着残りのため避ける
  • フェルトを使う方法や、ヒール部分はウェットティッシュで拭くだけで良いとするスタジオもある
  • 養生はヘアメイク・衣装チェックの合間に済ませておくのが理想
  • スタジオごとにルールが異なるため、初めて利用する場所では事前に確認しておく

撮影前のほんのひと手間ですが、知っているかどうかで現場の印象は大きく変わります。特に経験の浅いモデルさんは、この記事のチェックリストを撮影前に一度確認しておくことをおすすめします。

作品撮りで自分の宣材をグレードアップさせる記事

ポートレートと作品撮りの違いって?
ポートレートと作品撮りでは、撮影した写真の使い道が異なります。『作品撮り』の一般的な内容をわかりやすく、簡単にご説明させていただいています。
Profile
この記事を書いた人
Yoshiyuki-K(Yogi)

某広告代理店で営業とプロフ・オーディション・宣材撮影を20年位担当しています。
その間、3年位ミスコンサイト技術指導。(それなりに年齢いってます。)
仕事で始めた写真撮影が今では趣味になり、美脚にバフをかける撮影を得意としているポートレートカメラマン。

Yoshiyuki-K(Yogi)をフォローする
作品撮り
MyPhotoStyle
タイトルとURLをコピーしました